いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い3」有象利路(電撃文庫)

組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い3 (電撃文庫)

「ヤろう、律花! 今年中に! 最後まで!」「や……やろう! 最後まで!」「「愛してる!!」」『イカレた会話にゃ……』
元宿敵同士で、今はラブラブ夫婦の狼士と律花。互いの秘密を打ち明け、悲願の同衾が叶った二人の次のお悩みは、もちろん『夜の営み』について。
全然うまくいかない二人だが、新たなる凸凹カップルの登場や愛猫にゃん吉の通院、狼士の後輩・生駒さんの自宅来訪など、彼らの日常は加速していく!
そして迫る十二月の聖夜、いまだ未経験な二人は『幸せな夜』を勝ち取れるのか?
愛しているから一つになりたい。心はとっくに。だから後は身体の方だけ、どうにかして。これは異能力バトルの後の、初恋の後の、ゴールインの後の――新米夫婦が勇気を出してもう一歩を踏み出すための物語。


あ、これはシコルスキ・ジーライフの作者の本だw
夫婦の性事情を時に赤裸々に時に下世話に、重くなりすぎないようコミカルに描ききった怪作。ま、基本ちんちん連呼してるだけだけどな! 
夫婦の性の不一致は離婚の理由になりえる大きな問題にも関わらず、他人にはそうそう相談できないデリケートな話で、波乱万丈な一組の夫婦を追う物語としても外せない話題ではあるのだが・・・。なぜこれをラノベでやってしまったのか。その蛮勇に敬意を表したい。流石有象先生。流石最王手電撃文庫。(←これは褒めているのか?)
要するに下ネタ大増量な話だったのだけど、適度に入る狼士の童貞臭さとエロ漫画のお約束的なネタ、軽い下ネタもえげつない下ネタも同じテンションでやってのける義兄・虎地の変わらぬウザさなどで、嫌悪感なく楽しく読めてしまえる絶妙なバランス感覚が見事。それに最後はいい話風に綺麗に着地させる展開も上手い。まったく、初めはちんちん連呼してだけなのに最終的には上手いこと纏めやがって、何かムカつくw
ところで、いつにも増して唐突だったバトル要素は要るのだろうか? これがないと現代異能ファンタジーの体が保てないのはわかるのだけど。あれかな、新キャラと仲良くさせるには殴り合いが一番手っ取り早いだろうという、ヤンキー漫画的なノリかな、たぶん。
次もあるようで。妊娠出産か飛んで子育てか。律花ママが楽しみです。