復活を遂げた武蔵野西高校弓道部は限られた部員ながら団体個人両方で東京都女子代表として関東大会出場を果たした。新入部員も増え、楓たちは皆で協力しあって部活動を軌道にのせてゆく。
そして楓たちにとって最後の大会となるインターハイ予選がいよいよ始まる。青春弓道小説シリーズ、第5弾!
卒業へ。高校に入る直前に出会った弓道に青春をかけることになった少女の物語、節目となるシリーズ第5弾。
いきなり本番、インターハイ東京予選の試合真っただ中からスタート。
覚醒篇と銘打たれているので、これは楓が覚醒してインターハイ出場か!と意気込んだら普通に敗退してやや拍子抜け。覚醒とは個人でインターハイ出場の善美の事だったんだろうか? 善美は元々実力者だろう、表に出ていなかっただけで。
楓本人は小さいことに悩んで時々上手くいったりいかなかったりしてを繰り返すいつもの調子。このじっくりゆっくり成長している感が彼女の長所であり読んでいて楽しいところなので、覚醒なんてしたら解釈違いか。
いつも通りでホッとさせくれる楓とは対照的に、従妹の登場で静かに荒れていたのが真田兄妹。出会った当初は妹と違って兄は大人で常識人な印象だったんだけどなあ・・・。この兄妹のフォローに回る楓の姿も見慣れてきてしまった気が。兄妹そろって楓に若干依存気味というか、楓がいないと会話が成立しない場面が多い。楓が「好きだけど・・・」という答えを出したのも、こういうところなんだろうな。
物語の方は高校の部活動の集大成。自分たちが立ち上げた部で、関東大会に出てインターハイに応援に行って・・・読んでいるだけでも、なんだかずいぶん遠くまで来た実感がある。本人たちの感慨はこの何倍か。立ち上げからの思い出を思い起こしたり仲間たちと語ったりの終盤は時々ウルっと来るものがあった。追い出し射会、名前は酷いけど中身は先輩と後輩のお互いの感謝が交差して素敵だった。
一区切りついたところだが大学生編はあるのだろうか。本人はスランプ真っ只中でこのタイミングで終わられるのは気持ち悪い部分があるし、それ以上に精神的に参ってそうな乙矢が心配でしょうがないんだが。
