いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「龍盤七朝 ケルベロス 壱」古橋秀之(メディアワークス文庫)

龍盤七朝 ケルベロス 壱 (メディアワークス文庫 ふ 1-1)
龍盤七朝 ケルベロス 壱 (メディアワークス文庫 ふ 1-1)

三首四眼五臂六脚、戦場に現れ一軍をも滅ぼすという、これは一匹の怪物の物語……。
不死身の覇王に七国が蹂躙されていた時代、とある街に三人の半端者が流れ着いた。
口八丁の鏢使い。突くべき鐘を持たない鐘突き男。亡国の皇姫を自称する小便餓鬼。奇妙な三人が出会う時、“怪物を殺す怪物”が凄まじい産声を上げる……!!
奇才、古橋秀之が打ち放つ、渾身の中華ファンタジー――シェアードワールド企画“龍盤七朝”、新シリーズ開幕!!


圧倒された。
その世界観に、そして螺粠に。
中盤までは軽薄な廉把とお転婆すぎる蘭珈の掛け合いが面白いくらいで、序章の怪物の語りを忘れてしまいそうになるほど淡々と進むが、刺客が来てからの加速とラストのインパクトが凄まじい。
あまりにも強大な螺粠の戦闘能力、彼らが背負ってしまったもの、三首四眼五臂六脚の意味が一気に押し寄せてくる。
どうやって勝つんだ、これ? こんなメチャクチャなラスボスは少年漫画でも出てこないだろう。
彼らがあの怪物に対抗しうるまでに成長する過程が全く想像できない。三人の人となりを知ってしまっただけになおさら。
とにかく面白かった。続きがどうなるのか非常に楽しみ。
でも、来年中に「龍盤七朝」どちらかの2巻は出るのかな? 出ないような気がするねw



これは電撃文庫で出すべきだったのでは?
他のMW文庫と毛色が違うし(といっても4作品しか読んでいないが)、本棚では他の古橋作品の隣においてもドラゴンバスターの隣においても座りが悪い(^^;




〜追記〜
鏢(鏢)は出るのに螺がんのがん(山冠に品)は文字化けする><

解決しました。SHI-NOさんありがとう!