いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「覇剣の皇姫アルティーナ VI」むらさきゆきや(ファミ通文庫)

覇剣の皇姫アルティーナVI (ファミ通文庫)
覇剣の皇姫アルティーナVI (ファミ通文庫)

ベルガリア帝国第七軍はハイブリタニア軍の新兵器の前に為す術なく敗北。救援に駆けつけた軍師レジスの采配によって全滅は免れるも、依然として帝国は窮地にあった。海路からの補給を断つ他に、侵攻を食い止める方法はないが、帝国海軍もまた新式の蒸気船に苦戦を強いられていた。アルティーナ達は海の奪還を決意し、港町を目指す。帆船しか持たない帝国海軍に逆転の手はあるのか!? 覇剣の皇姫と、読書狂の青年が織り成す覇道戦記ファンタジー第6弾!

あ、海でもフラグは立てていくんですね。やっぱり5巻が例外だったかー。
まあ、アルティーナにヤキモチを妬かせるための演出で、パッと出の漁村の娘さんに再登場の機会は無いと思うけど。
そんなわけで相変わらずモテモテの本バカ軍師、今度の活躍の場は海戦。
今回はいつになく船や状況の説明が事細か。なのに微妙に分かりづらい。
移動手段も武器・攻撃方法も想像しやすい陸と違って、どちらも想像しにく海上だからある程度は仕方がないのだけど、この海戦図はどうなのよ。説明を補うための海戦図があったのに、挿入位置がおかしくまるで役に立っていないのが悲しい。終わったとに後出しで出されてもねえ(^^;
と、少々残念ななところはあったが、肝心のレジスの活躍は面白かった。
作戦初日は大胆だけど普通だなあと思う程度だったのが、それを布石とした2日目の奇策は痛快。流石にそんな上手くはいかないだろうと思いつつも、その発想力と二重三重の詰め手には感心せざるを得ない。ただの本バカじゃない、記憶力と実践力、あとは何でも手を出す乱読ぶりに惚れ惚れ。
次は本編のフラグとあとがきから察するにお兄ちゃん退場?