いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「百錬の覇王と聖約の戦乙女 12」鷹山誠一(HJ文庫)

百錬の覇王と聖約の戦乙女12 (HJ文庫)
百錬の覇王と聖約の戦乙女12 (HJ文庫)

「なんなんじゃ、あの兵どもは!?」
神帝の《鋼》討伐令を受けて結成された五氏族からなる大連合。ファグラヴェール率いるその総兵数はなんと三万!
《鋼》全軍を優に超える兵力に、数多のエインヘリアルが加わった前代未聞の戦力が、東のダウエ砦に襲い掛かった。
一方そのころ、勇斗は未だ西の地からの帰還中で――果たしてこの未曾有の苦境を打開する策はあるのか!?
大人気異世界ファンタジー戦記、大激戦の12巻!!

4回連続4回目の本番はなかった。残念!
これは最後までイングリットさんに春は来ないかもしれないなあ……。ユグドラシル全土を巻き込んだ世界大戦の様相に、ラブコメをやっている状況じゃなくなってしまったので仕方がないが。おっと絵師さんもイングリット派か。良い酒が飲めそう。
全面戦争が始まったばかりとあってまだまだ前哨戦の域を出ない。
というよりは、どうしても敵将たちを前巻で対峙していた超大物と比べてしまって、小物に感じてしまうのがさほど盛り上がらない原因かも。それだけあの方の描写には力が入ってたってことだね。
中でも今回の戦争の黒幕である《槍》の宗主の小物臭が凄い。これは次回早々に正体がバレるんだろな。でも彼女を取り戻すのには苦労しそうだけど。
それでも最後にいいところだけを持っていった主人公が、現代の道具を惜しみなくかつ効果的に使っている姿に、シリーズ当初からの確かな成長を感じられるので、読後感はいい感じ。次は初めから気張ってくれるだろう。
次は《槍》の宗主が相手だろう。搦め手vs奇策が楽しめる?