いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



悠久展望台のカイ (MF文庫J)

悠久展望台のカイ悠久展望台のカイ

早矢塚 かつや
メディアファクトリー 2006-07

by G-Tools

本日、響依泉子はブルーだった。一大決心して精一杯おしゃれした依泉子はクラスメイトの男子に告白したのだが、あえなく振られてしまったのだ。ショックのあまり「バカ!」と叫んで平手打ちしてしまい、なんてヤなやつなんだろう……と落ち込んでいた帰り道の橋の上で、依泉子は見知らぬ男の子に声をかけられる。同じ学校の制服を着た、どこにでもいるような印象の彼は、「依泉子はいい子だと思う」と優しい言葉をかけ、あっという間に消えてしまった。いったい、誰だったのか――?知らない、なのに懐かしい。依泉子はもう一度彼に会えないだろうかと考えるのだが……。出会えないはずのふたりが出会うとき、優しくせつない物語が始まる!

依泉子とカイの二人がもう一組のカップルに関わって行く事で、物語は進んでいく。
ヤス氏の絵に引かれて買ったけど(弱w)、この作品の雰囲気と絵が合ってるかどうかはかなり微妙なところ(-ω-;)


これを高校生が書いたのか!!Σ( ̄□ ̄;)

テーマとして「心の闇」があり、各所に「無力感」や「遣る瀬無さ」という感情が出てくるにもかかわらず、全体的には優しさを感じる不思議な作品。カイという特殊な存在のおかげか。
少し昔の学生の自主制作映画とかフランス映画のような“わかるようなわからないような感じ”とモノクロな雰囲気を感じた。
(ただのイメージです。どちらの映画もそんなものばかりではないのは分かってます)
一人称が突如として入れ替わったり、依泉子とカイの会話が「」と()がごっちゃになって読みづらいのが難点といえば難点。
でも、それを補ってあまりある筆力があると思う。


好きか嫌いかで言ったら、かなり好き



いくらでも続きを書ける終わり方をしているだけに、次を大いに期待したいのだけど、受験で1年以上あとになるそうな(´・ω・`)
無事、大学に合格出来る事を(勝手に)お祈りしております( ̄人 ̄)