山之内荒野、１２歳。“恋愛小説家”のパパと、年若き“ばあや”と暮らしている。中学入学式の日、荒野は一人の少年と出合い、衝撃的な胸のドキドキを体験する。少年・神無月悠也がクラスメートだと知って嬉しい荒野だが、彼の氷のような視線に戸惑う。好きってどういうこと？ 恋ってなぁに？ 未知なるものとの遭遇にまだコドモの荒野はオタオタするばかり。そんな荒野が、ついに“恋のしっぽ”をつかまえて――。一人の少女の恋の奇跡を描く『恋の三部作』第一作。
蜻蛉のような“恋愛小説家”のパパと暮らす荒野。１２歳で経験した淡い“恋”の相手は、パパの再婚相手の連れ子だった！ コドモの荒野には“恋”なんて皆目わからずオタオタしたけれど、それから一年あまり。新しい家族にも男の子にも慣れてちょっぴり成長した荒野が、新たなドキドキに出会う。急激に“オトナ”になっていく周囲に戸惑い、突然自分に訪れた“恋”に驚愕する――。そして、遠く離れた彼への想いは……。『恋の三部作』第二作！
一人の少女の成長を描く物語。
これはイイ！ 今まで読んできた桜庭一樹作品の中でこれが一番好きだ。
元々少女を描くのが上手な作家さんではあるけど、この作品のヒロイン荒野のかもし出す雰囲気は最高。荒野の容姿や今の中学生にしては少し幼い考え方や複雑な家庭環境からで強まっている少女特有の危うさなどのバランスが絶妙。
それに鎌倉という土地がらと荒野の家（古い日本家屋）の雰囲気もいい。これによって作中に流れる空気がなんとなくゆったりして落ち着いた感じになっていて、荒野の少しのんびりした正確にも合っている。
物語の展開にハラハラドキドキとか荒野がものすごく可愛いとかはないけど、ゆったりでじんわりくるこの作品の雰囲気がたまらなく好き。
第三部ﾏﾀﾞｧ-? (･∀･ )っ/凵⌒☆ﾁﾝﾁﾝ
