いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



姫様とオレ様とカゲトリバコをめぐる覚え書き (集英社スーパーダッシュ文庫)

姫様とオレ様とカゲトリバコをめぐる覚え書き神代明スーパーダッシュ文庫
オンライン書店ビーケーワン:姫様とオレ様とカゲトリバコをめぐる覚え書き

宝珠から生まれし世界“リディオ”。ライズオール王国の末姫・サラには、生まれつき影がない。兄弟たちや、俺様な性格のアーウィンに守られて、前向きに成長するサラ。ある宴の夜、他国の皇太子とサラの兄エルスの影が、奇妙な小箱に吸い取られてしまった! 無差別に影を吸い取る箱に近づけるのは、元々影のないサラしかいない……。箱入り姫と仲間たちのカゲトリバコをめぐる大冒険が、今、始まる――!! お芋と魔法の(?)ほのぼのファンタジー

世間知らずのお姫様サラとサラの乳兄弟で怪力だけが自慢の騎士見習いアーウィン、知識はあるけど魔法はからっきしな芋好き魔導士ルチルの冒険譚。


予想以上に良かった。ここのところのSD文庫の中では一番のヒットかも(といってもSD文庫はあまり数読んでないんだけど)
しっかりとした世界観に個性的なキャラクター。また物語も諸説明も短い本編(200頁強)の中にきっちりまとまっていて、非常に完成度の高い作品。箱入り娘で無知なサラの行動にハラハラドキドキさせられ、サラに感情移入というよりはアーウィンと共に見守るような視点で物語が楽しめる。
この話の魅力は作品中から溢れ出すやさしさ。サラのお姫様らしい無垢なやさしいも、周りの人のサラへのやさしさも読んでいて心地よかった。
巻末付録に「また次巻で!」というのがあるけど、次は出るんだろうか? これはこれで一つの完成された作品のような気がするけど。