いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 善意の指針は悪意 2 (2)(電撃文庫 い 9-2)

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2」入間人間電撃文庫
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 2 (2) (電撃文庫 い 9-2)

入院した。僕は殺人未遂という被害の末に。マユは自分の頭を花瓶で殴るという自傷の末に。
二人が入院した先では、患者が一人、行方不明になっていた。
その事件は当初、僕にとって問題となるべき事柄ではなかった。数日後に起きた出来事のほうがよっぽど衝撃的だったからだ。
数日後。マユは、頭部と花瓶を再度巡り会わされた。自傷じゃなく、誰かの手によって。マユは病室で血塗れになり、今回も気絶することなく自前の足で歩き、医者に治療を依頼した。
そして、治療から帰ってきたマユは、本題とは関係の無いことを僕に発表した。
死体を見つけた、と。
また、はじまるのかな。ねえ、まーちゃん。

噂のヤンデレ本。予想外の2冊目


面白いかどうかと聞かれると答えに窮する作品だ。ただみーくんの言葉遊びと狐と狸の化かし合いのような会話が楽しいのは確か。これが楽しめなかったら不快なだけだったかも(^^;


2作目は院内サスペンスもの。
今回、事件を通して見えてくるのはみーくんまーちゃん以外の人間の異常性。“嘘つきみーくん”と“壊れたまーちゃん”はある意味純粋なので、微妙にずれた行動をしている周りの人たちの方が壊れて見える。みーくんとまーちゃんが“ずれてる”のはいいけど、周りまで皆ずれてるのは流石に薄気味悪いものがある。
ミステリとして見るとヒントが正しく与えられていなかったり、みーくんの誘導尋問に無理があったりと穴だらけなので、精神的なものとして読むのがいいんだろう。(ミステリっぽい形をしていると、どうしてもそういうものとして読んでしまうのは悪い癖だ)そして登場人物のズレた行動を恐がったり、薄気味悪さを楽しむものなんだろうなぁ、、、多分。