いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



福音の少年―魔法使いの弟子 (徳間デュアル文庫)

福音の少年 魔法使いの弟子加地尚武徳間デュアル文庫
福音の少年魔法使いの弟子―Good News Boy

御厨恵は、小柄で色白、やせっぽちの中学二年生。母親似の端整な顔をしているが、勉強でも運動でも、あまり目立つほうではない。そんな平凡な彼の生活にも異変が――錬金術師の父が造ったホムンクルスの少女アナと、魔女の母のもとで修行する上級魔女のエリカが同居することになったからだ。しかし、その異変は、世界を揺るがす前兆であったのだ。
――1910年、ハレー彗星の“来訪”が、世界に魔法をもたらした。そして100年後のいま、世界は新たな激変に晒されようとしていた。

魔法が存在する世界の現代の日本が舞台の、錬金術師の父と魔女の母の間に生まれた恵(めぐむ)少年の物語。


これはいい!
正統派現代ファンタジーにしてボーイミーツガールもの。各章ごときっちり話が区切られていて、その章ごとに物語がありつつ本筋も少しずつ進んでいく感じが、毎週アニメを見ているようで読みやすい。また人物の心理描写がとても丁寧。その分かなりのボリュームになっているが、ここをしっかりやってくれる小説はやっぱり面白い。それに加えてメインは恵とエリカの二人だが、各章の登場人物がそれぞれ少しずつ関係していて、複雑に絡み合う人間関係もまた興味深い。それと個人の趣味から言うとエリカのツン具合もなかなか(*´Д`)
長い物語のまだ1巻なので、人物や世界の紹介など序章的な部分も多かったが、この先どうなっていくのか興味をそそられ、すぐに次が読みたいと思える素晴らしい内容だった。
この世界がどうなっていくのかと共に、恵とエリカの成長の物語としても期待。