いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



SHI‐NO―シノ‐支倉志乃の敗北 (富士見ミステリー文庫)

「SHI−NO 支倉志乃の敗北」上月雨音富士見ミステリー文庫
SHI-NO支倉志乃の敗北 (富士見ミステリー文庫)

「これは、死体の絵です」
絵画展で、志乃ちゃんがあるクイズに答えたことがきっかけで、僕らは画家のアトリエに招待されることになった。
なゆきとはいえ、志乃ちゃんとの旅行は初めてのことだ。普通の女の子らしさを見せてくれるようになった志乃ちゃんとも、最近はだいぶ近い距離でつきあえるようになった。
ずっと一緒に居たいし、一緒に居て欲しい。こうやって少しずつ、僕は志乃ちゃんの家族になっていけると思っていた。
あせらず、ゆっくりと僕らのスピードで。その先にある幸福を信じて明日を生きて行こうと。
だけど、僕は思い知らされるのだ。
それがただの夢に過ぎなかったことを――。
大学生の僕と小学生の志乃ちゃんとの純愛系ミステリー。二人に緩やかな変化の時が訪れる。


嫌だったとか不快だったとかではないのだがスッキリしない話だった。
ミステリとして読んだらミステリの形を成していなかった事、答えが出てもピンとこない事(以上の二つはあとがきにも書いてある)志乃ちゃんの口調が時折ですます調になる事、どれも違和感がある。それに真白が言う“恐怖”も、サブタイトルの“敗北”もちょっとニュアンスが違う気がする。どれもしっくりこないというか、何かがちょっとずつずれている感じ。話の流れ的に僕と志乃ちゃんのもやもやした気持ちを表現したかったのだと思うから、成功といえるんだろうけど・・・。とりあえずこのスッキリしなさ加減と凶悪なラストで、続きが凄く気になる作りになっている事だけは確か。
あと、ずっと志乃ちゃんが出ていたわりにはいつもの可愛らしさがあまり見られなかったのが残念。いじり役の先輩がいないせいか? 内容がスッキリしない分、もう少しシノシノ分(可愛い志乃ちゃん成分)を補給したかったなぁw