いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



クダンの話をしましょうか〈2〉 (MF文庫J)

「クダンの話をしましょうか2」内山靖二郎MF文庫J
クダンの話をしましょうか 2 (2) (MF文庫 J う 3-6)

どこからでも海を臨むことのできる、とある街へとやってきたクダン。世間は夏休みだが、クダンは喫茶店でバイト。その合間に客の手相占いをして鵺の手掛かりを探していた。そんなクダンのもとに現れたのは、元“コクバン”の管理人・美千恵。彼女は、記憶の中にあるドッペルゲンガーを探しているという。クダンの占いを頼りに、故郷のこの街を探索する美千恵だったが、不思議な小学生グループに阻まれ――。 新たな街での、出逢い、わかれ。そして、ときおりもたらされる数奇な邂逅。
せつなく、やさしい予言の物語、第二章。

人の災いを予言できるが、それをその人に伝えるとその人の記憶から消えてしまうという能力を持った少女クダンの物語。今回は北海道のとある町を舞台に(モデルはおそらく函館)コロポックルと不思議な手形にまつわる連作短編。


幕間がいい!(1巻の感想と同じスタートw)
本編とのテンションのギャップがいい感じだし、本編では不遇なクダンが笑っている姿がなんかホッとする。この作者のコメディは面白いと同時に温かい感じがするから大好き。
本編の方は今回の話のキーである「手形」の不気味さも手伝ってか、同じせつなくてやさしい物語の「しにがみのバラッド。」というよりは、「世にも奇妙な物語」の雰囲気に近いかな。そしてクダンの置かれている立場のせつなさは相変わらず。今回は縁の深い人との別れは一つだけだったけど、その別れが切ないを通り越して痛々しくて泣けてくる。すれ違いの連続→悲しい結末のコンボは凶悪すぎるよ。・゚・(つД`)・゚・。


クダンもいいけど「神様のおきにいり」の続きは書いてくれないんだろうか?