いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



ROOM NO.1301 #10 管理人はシステマティック? (富士見ミステリー文庫)

ROOM NO.1301 #10 管理人はシステマティック?」新井輝富士見ミステリー文庫
ROOM NO.1301 #10  管理人はシステマティック? (富士見ミステリー文庫 16-20)

健一は、ただ受け止めるしか出来なかった。佳奈への告白で傷ついた日奈が、感情を決壊させてボロボロと泣いている。
夜空が広がる幽霊マンションの屋上で、日奈に言われて後ろから抱きしめる健一。しばらくすると、落ち着いたようにも見えたのだが。
「ねえ、健一。エッチしようか?」
日奈の口から出たのは、彼を驚かせるのに充分な提案だった。
「エッチすればわかる気がする」
そうすれば自分が女だと納得出来ると泣きつかれる。友情を誓った健一は、日奈を慰めようとするのだが……。
そして以前のままでいられない二人同様、幽霊マンションの他の住人たちにも変化が起きていた。管理人の刻也も、芸術家の綾も、健一が毎晩肌を重ねていた冴子にも――。
健一の恋愛を追及する物語、いよいよ佳境!!


久しぶりでも悪ノリ全開です。ご容赦をm(_ _)m




鈴璃「・・・なにこれ?」


┌―――――――――――――┐
| .鈴璃様祝賀会場はこちら ⇒ |
└―――――――――――――┘

鈴璃「こんにちはー、って中もなんか飾ってある」


★――――――――★
|    ☆.祝.☆    |
|  本編御出演   |
| おめでとう鈴璃様. |
★――――――――★


新型「え――――――――っ!」
鈴璃「わっ ビックリした。な、なによ」
新型「ちょっと病院行ってきます。一人でやっといてください」
鈴璃「え? え!? ちょっと・・・って、ホントに出てっちゃった」




鈴璃「一人でって・・・そもそも何よ、この仰々しい飾りは」




新型「ただいま戻りましたっ」
鈴璃「早っ!」
新型「場所が分かりませんでした!」
鈴璃「あんたバカ? というかそんなに慌ててどうしたのよ」
新型「だって冴ちゃんが倒れたっていうから」
鈴璃「あんたが行けるわけないでしょ!!!」
新型「アウッ フィクションなのにそんな現実的なところで攻めなくても・・・」
鈴璃「それに頭からネタバレ全開じゃないの」
新型「それは私の感想ではいつものことですから今さら誰も気にしませんて」
鈴璃「少しは気にしなさい! それで、この仰々しい飾りはなんなのよ?」
新型「そうでした。鈴璃さん、念願の本編出演おめでとうございます!!
鈴璃「あ、ありがとう」
新型「実に鈴璃さんらしい登場の仕方でしたね。「わからない!」の連呼だけで1ページ埋めるなんて鈴璃さんにしか出来ませんよ!」
鈴璃「それ全然誉められてる気がしないんだけど」
新型「初対面の健一に対していきなり食って掛かる姿は、毛を逆立てた猫のような可愛らしさでした」
鈴璃「・・・それって可愛いの?」
新型「猫は可愛いに決まっているでしょう!!」
鈴璃「それ論点がずれてるから・・・はぁ」
新型「どうしたんですか? せっかく出れたのに思っていたより嬉しそうじゃありませんね」
鈴璃「うーん、私としてはもっとこう、初めから刻也君の彼女としてお淑やかとまではいかなくても、もう少し印象のいい登場が良かったんだけど。ここまで引っ張っといてこの登場はないわよね」
新型「そんなまともな登場を期待してたんですか? そんなの無理に決まってるでしょう」
鈴璃「どういう意味よ!」
新型「あなたの普段の行動を思い返してください」
鈴璃「私に問題があるって言うの!?」
新型「いつも深く考えもせず感情だけですぐ行動に移しちゃってるでしょう」
鈴璃「うっ、それを言われると」
新型「女の子が初対面の男子にいきなり襲い掛かるなんて、しかも外で。相手が飢えたロリコン野獣だったらどうするつもりだったんですか?」
鈴璃「襲い掛かってないし・・・」
新型「あなたいきなり跳び蹴りくらわせたでしょうが」
鈴璃「それはそうだけど・・・」
新型「逆切れされたらどうするつもりだったんですか。まあ健一が飢えてないロリコンではない野獣だったから良かったものの」
鈴璃「野獣は野獣なんだ」
新型「ちゃんと聞いてるんですか。問題はそこじゃないでしょう! そんなだから刻也君にも要らぬ心配をかけるんですよ」
鈴璃「す、すみません」
新型「そもそもあなたはですね・・・」
鈴璃「ちょ、ちょっと、なんで私説教されてるわけ? 祝ってくれるんじゃなかったの?」
新型「・・・まあ、今日はめでたい日なんでこのくらいで勘弁してあげましょう」
鈴璃「・・・それはどうも」
新型「あ、そういえばクラッカーも用意してあったんだ、ラストの衝撃で忘れてた・・・今から鳴らしますか?」
鈴璃「それってバカみたいじゃない?」
新型「それもそうですね」
鈴璃「まあいいわ。ちゃんと出れたし、奴も葬っておいたし、気分は悪くないからあんたのくだらない感想も聞いてあげるわ。それが本題なんでしょ」
新型「くっ、これが勝者の余裕ってやつか」
鈴璃「ほら、さっさとしなさいよ」
新型「んーそうですね、健一に哀愁というか寂寥感が漂っていて終わりが近いことを実感する内容でしたね」
鈴璃「そう? そんな感じには見えなかったわよ」
新型「鈴璃さん、あなた健一と会ってるとき常に怒ってて相手の様子を伺う余裕なんてないでしょ」
鈴璃「・・・そう言われると反論できないわね。で、なんでそんなふうになってたの?」
新型「みんな健一に助けられて感謝してるのに、実感が無い健一には別れの寂しさだけが募っていくという状態なんですよ。この構図がなんんとも居た堪れない」
鈴璃「へー、キヌガワもなんだか苦労してるのね」
新型「そこに鈴璃さんが追い討ちをかけるものだから健一はどん底に。うっうっ」
鈴璃「え? 私そんなに追いつめるようなこと言った?」
新型「半分嘘ですけどね」
鈴璃ちょっと!!! ん? 半分ってどういう意味よ」
新型「健一が余計に疲れたことは確かですから」
鈴璃「悪かったと思ってるわよ。刻也君にも怒られたんだからもういいでしょ」
新型「まあいいでしょう。で、このままだと健一の心にさらに大きな穴が空きそうなんで、初めから持っていた穴と共に後1巻でどうやって埋めるのかが気になりますね」
鈴璃「そうか、もう終わりなんだ」
新型「番外編もあるらしいですが本編は次で最終巻ですね。そして富士見ミs」
鈴璃「わーわーわー」
新型「なんですか? うるさいですね」
鈴璃「ほ、他にはないの? 健一以外で」
新型「他ですか? んー、大人達ですかね」
鈴璃「大人?」
新型「上手く言い表せないんですけど、父親、八雲母、ゲンさん、窪塚母と出てきましたが、それぞれの言葉にそれぞれの重みがあったというか。子供を持つ人たちの言葉は違うなあと」
鈴璃「へー」
新型「最後の窪塚母と会話している時に健一が呟いた「大人になるのが終わりじゃないんですね」も印象的でした」
鈴璃「ふーん。なんかちょっと重い感想ばかりね。明るい話題はないの?」
新型「あーありますよ。健一の鈴璃さんに対する印象で大いに笑わせてもらいました」
鈴璃「へ?」
新型「小学生かと思ったに始まり、いやらしい目だけで見れば小学生に見えないとか、ある種の妄想に取り付かれているとか。流輝君に会ったときのあからさまにホッとした様子も笑えました。」
鈴璃「おーのーれーキヌガワー」
新型「早苗さんの喫茶店で話した後の『心安らがない時間だった』は傑作でした。言い得て妙とはこのこと」
鈴璃キ――――――ッ! 次に遭った時はどうしてくれようかしら」
新型「そんなこと言いながらそんな凶器出さないでくださいよ、恐ろしい」
鈴璃「むかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつく。えーい、まずはあんたからよ!
新型「ちょっまっ、それってただの八つ当たr」
鈴璃「きええ―――――――――――――――――――!」
新型「ぐぎゃ――――――――――――――――――――!」


新型鈴璃の攻撃で絶命