いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



超人間・岩村 (スーパーダッシュ文庫)

「超人間・岩村」滝川廉治(スーパーダッシュ文庫
超人間・岩村 (集英社スーパーダッシュ文庫 た 10-1)

妙見宮高校に一人の男がいる。名は岩村陽春。アメコミ同好会に所属し、友人の多村やマルカーノのともに日々を送る彼は「無理」や「不可能」という言葉を聞くと行動を開始する。それが本当に「不可能」な事なのか、それとも「可能」なのかをを見極めるために。安易な「諦め」や「絶望」を、この世界から駆逐するために。人はそんな彼を『超人間』と呼んだ…! 一方、新聞部一年・高津五月は先輩の杉浦夜那とともに『超人間』の密着取材を命じられるが、なぜか演劇の主役を演じることになってしまい!?

色々な部活が群雄割拠する妙見宮高校を舞台に、アメコミ同好会の三人『超人間』岩村、多才だが病弱な多村、大食巨体のマルが他の弱小クラブの危機を救っていく話。


とにかく熱い! 
弱小クラブvs生徒会という構図はよくあるが、ここまで熱くて緊張感のあるものは読んだ事がない。
何より際立っているのは濃く熱い男達。何事も絶対に諦めない岩村の熱さも、クールだが力のある多村の言葉も、マルちゃんの男気と体格に似合わない気配りも、ここまでやってくれればもうカッコいいとしか言いようがない。
ただ、タイトルは「超人間・岩村」なのに印象は 多村>マル>岩村 の順。第三話にいたっては 高津五月>マル>多村>岩村 になる。別に誰の視点で書かれていてもいいけど、もっと岩村にクローズアップして、いかに『超人間』なのかを知らしめてくれれば傑作だったのに。
それでも他のキャラの魅力と勢いは申し分なく非常に面白かった。思いっきり続編が書けそうな終わり方をしているので続刊に期待したい。