いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



繭の少女と街の防人〈2〉 (電撃文庫)

「繭の少女と街の防人2」栗府二郎電撃文庫
繭の少女と街の防人〈2〉 (電撃文庫)

街には、人の目には見えない境界がある。ふだんは塞がっているが、ときに思いがけない場所でその暗い口を開き、迷える人間を「向こう側」へと誘い込む。
頻繁に境界が綻びはじめたことで、その対応に奔走する、防人の諏訪守と桜野ミチル。やがて2人は、どの事件にも、ある少女が関係していることに気づく。
そんなある日、ミチルの通うフローラ女学園の生徒が姿を消してしまう。足取りをたどるうち、やはり同じ少女が関わっていて、彼女もまたフローラ女学園に在籍していることが判明する。
その謎めいた美少女――御堂繭美が秘める本当の狙いとは?


ついに繭の少女が本格参戦。でも、、、
1巻の方が全然良かった。1巻は登場人物の心理描写が丁寧だったし話にもバラエティがあった。
この2巻は四〜六の三話とも〈ミチルの友人知人が失踪→守呼び出し→捜索、発見、帰還→御堂繭美が怪しい〉という同じ流れ。そして各話の主役である悩める少女達の心理描写が防人の説明をしなければならなかった1巻よりも薄い。同じ三話収録なのに明らかなページ数の減少が内容の薄さを物語る。少しずつ明らかになっていく繭の少女の正体や目的には興味を引かれるが、話自体が1巻の第一話の簡易版みたいなものを繰り返しているだけで面白くも何ともない。
電撃文庫の通常価格より150円ほど高いことを含めて、商品として「これはない」と思った。