いつも月夜に本と酒

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聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)〈4〉 (MF文庫J)

聖剣の刀鍛冶4」三浦勇雄MF文庫J
聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)〈4〉 (MF文庫J)

セシリーたちが暮らす独立交易都市に、軍国からの使者・アーヴィングがやってきた。刀鍛冶のルークと軍国の聖剣師とで、技術交換をしたいとの申し出だった。帝国と群集列国も怪しい動きが察知されるいま、軍国としては当然の訴えではあるが、市長のハウスマンの態度は慎重だ。しかし、意外にもルークはこの申し出を受ける。何かに追われるような焦燥感を宿したルークに、セシリーとリサが同行し、軍国へと向かうことになる。そこで彼らを待っていた意外な人物とは――!?
白刃の下に鮮紅の花が咲き乱れる壮大なファンタジー叙事、怒涛の新展開!!


この勢いとこの熱さ、読んでいて本当に気持ちがいい。
それぞれに覚悟を決めたルーク、セシリー、アリア、リサの吼える姿とその言葉が熱い。特にセシリーの言葉はどんなに綺麗事であっても言葉に力があって胸がすく。
ラブ成分多めなのも見逃せない。
二人でいる時の照れ隠しで素っ気ないルーク×意識しすぎのセシリーもニヤニヤものだが、離れている時のお互いが信頼し合っているそのあり方が思わず「いいなぁ」と呟いてしまうような良さがある。
以下ネタバレなある部分の感想
エピローグの最後の一言「見たい」にグッときた。ニヤニヤな一言であると同時に、もうすぐ失明するかもしれない彼だからこその重みを感じた。
ヴァルバニル復活に向けて動き出す世界や少しずつ明らかになる事実など物語の方も澱みなく流れているし、この本単体でも物語の一部としても面白かった。早く続きが読みたい。