いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



とある飛空士への恋歌 (ガガガ文庫)

とある飛空士への恋歌犬村小六ガガガ文庫
とある飛空士への恋歌 (ガガガ文庫 い 2-6)

「これはきれいに飾り立てられた追放劇だ」数万人もの市民に見送られ、盛大な出帆式典により旅立ちの時をむかえた空飛ぶ島、イスラ。空の果てを見つけるため――その華やかな目的とは裏腹に、これは故郷に戻れる保証のない、あてのない旅。式典を横目に飛空機エル・アルコンを操縦するカルエルは、6年前の「風の革命」によりすべてを失った元皇子。彼の目線は、イスラ管区長となった「風の革命」の旗印、ニナ・ヴィエントに憎しみを持ってむけられていた……。
とある飛空士への追憶』の世界を舞台に、恋と空戦の物語再び!!


続き物かいっ。やけに進みが遅いから、途中からそんな気はしてたが。
前作『とある飛空士への追憶』と世界は同じだが、まったく別の物語。『追憶』に比べると進みは大分ゆっくりだが、その分情景描写やキャラの掘り下げ、心理描写が丁寧な印象。『追憶』が映画なら『恋歌』はテレビドラマといった感じ。
特に印象的なのはカルエルとクレアの出会いのシーン。シティ・オブ・エンジェルタイタニックを足して2で割ったようなベタベタなシーンだけど、表現がとても綺麗。挿絵もあるがそれ以上に活字ならではの表現が美しい(とても他作品で血や臓物をぶちまけてる人とは思えないw
内容としてはカルエルの生い立ちがメインで、本格的に“恋歌”になりそうなのは次から*1。ただ、これから時代に翻弄されるであろう二人の姿や、泣ける展開になることだけはひしひしと伝わってくる。
ここからどう展開しても泣ける大作になる予感しかしない。続きが楽しみで仕方がない。


余談〜女の子〜
ちょこっと感想巡回&読書メーターを見る限りアリエル派多め? まぁクレアはちょっとしか出てないし、勝敗がつくなら確実に勝ち組だからなぁ。ちなみに私は断然お姉さんズ派w あの包容力と豪胆さと気持ちのいいシンクロは魅力です。

*1:次のタイトルが恋歌2になるかどうかはわからないけど