いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



オルキヌス 稲朽深弦の調停生活 (GA文庫)

「オルキヌス 稲朽深弦の調停生活」鳥羽徹GA文庫
オルキヌス 稲朽深弦の調停生活 (GA文庫)

「演奏会ってことは、歌ったり楽器を弾いたりするんですか?」
「しますよー。見てみますか?」
そう言って目の前の美しい人魚が岩陰から取り出したのは――なぜか一台のノートパソコンだった!?
「電源はそこにラインを引いてるです」
「インフラの整った砂浜だなぁおい!」
幻獣(オルカ)が棲む島オルキヌスに調停員として赴任した稲朽深弦。その職務は、オルカ間のトラブルを調停することだ。
だが、実際に出会うオルカは予想の斜め上をいく面々ばかりだし、師事するはずの先輩調停員・秋永壱里は失踪中!? 言葉を武器にオルカたちとわたりあう、駆け出し調停員のネゴシエーション・コメディ開幕!!

調停員(人間)とオルカ(要するに喋る動物達)の生活を描いたコメディ


この島バカばっかりだ!(誉め言葉
人間以上の知性と謳われているオルカ達は「どこが?」と問いたくなるほどすっとぼけたキャラばかり。主人公意外で唯一出てくる調停員もかなり性格に難ありと右を向いても左を向いても個性的で濃いキャラばかり。
そんな濃いキャラ達のボケを一手に引き受けるのがツッコミ気質な主人公の調停員 深弦。
彼らの会話は完全に漫才で、これがめちゃくちゃ面白い。ちょくちょくボケるオルカ達の一言一言に、時々出てくる小ネタに逐一反応する主人公のツッコミは、テンポの良さとキレがあって気持ちがいい。ま、どの会話も漫才になってしまうので、会話がなかなか先に進まないのが玉に瑕ではありますがw
作品全体から感じるほのぼの感とテンポの良い漫才会話、まさかこんなバカコメディだったとは。いやー笑った。
既に続きが出ることが決まっているようなので、次も新人調停員のツッコミに期待。


これで奨励賞? GA文庫大賞ってどんだけ審査厳しいんだ。