いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「翼の帰る処 ―鏡の中の空― 下」妹尾ゆふ子(幻狼ファンタジアノベルス)

翼の帰る処〈2〉鏡の中の空〈下〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
翼の帰る処 2下 (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-4)

四大公家のひとつ《黒狼公》となったヤエトのもとに、砂漠に巣食う盗賊を捕縛しようと第二皇子の使いがやってくる。その盗賊団と接触を試みたヤエトは、自らの恩寵の力と対になる未来視の力を持つ女性と出会い…。
一方、兄である皇子同士の激しい後継争いを目の当たりにし、衝撃を受けた皇女は、ヤエトの助けを得ながら、自らの進むべき道を模索し始める。
――陰謀と謎が渦巻く中、ヤエトの過去視の力が視た『真実』とは!?


ヤエトと皇女、ヤエトとルーギン、そして三人の会話が楽しい楽しい。
なんだろうね、この信頼感と一体感と安心感。状況はさらに難しく、また大事になってきているのに、三人の会話だけを読むとそれを忘れてしまう。馬鹿王と間抜け宰相と阿呆将軍か。活躍からすると当てはまらないけど、会話だけ読んでいるとピッタリな気もするから不思議。
中でもヤエトと皇女の会話の変化にはどうしても顔がニヤけてしまう。
これまでは皇女がわがままを言ってヤエトを困らせるのが基本パターンだったが、今回はヤエトが皇女をからかったり躊躇いなく髪の毛を梳いたりと、皇族や王としてではなく女の子として見ている様なシーンがちらほら。まさか皇女の赤面挿絵が2枚も見れるとは。
さて、絶賛巻き込まれ中の皇族後継者争いの方は前進したのにきな臭さが増した感じか。まだ皇子は第二と第三しか出てないのに、これだけに思惑が絡み合っていて他の皇子が出てきたらどうなってしまうんだろう? そればかりか過去視のせいでこれ以上ない厄介事が追加。流石はヤエト先生、貧乏くじを引く能力は天下一品だ(苦笑 人間相手だけでも手に余ってるのに、あんなものどうやって対処するんだろう?
そんなわけでかなり色々と伏線が散りばめられた下巻だった。ちょっとずつだけど変化しつつある皇女との関係も含めて次も楽しみ。
上中下巻フラグ立ててたから、次は3巻構成か?