いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「漂う書庫のヴェルテ・テラ」川口士(富士見ファンタジア文庫)

漂う書庫のヴェルテ・テラ (富士見ファンタジア文庫)
漂う書庫のヴェルテ・テラ (富士見ファンタジア文庫)

『真昼の星空を刻み込め。そうすればお前は――』
かつて言われた言葉が甦る。そう、あれはまだ外法星導師となる前のこと。祈りではなく手繰ることで、星を。そうすれば……。
「手繰りて星は――大地を穿つ!」不敵な笑みを浮かべたジグウォルの足元で星導術が完成した瞬間、空に閃光が走り大地が震えた――!
聖堂による焚書で多くの書物が失われつつある世界。聖堂が追う『万巻の書』と呼ばれる少女レジィナと旅を続ける目つきと口の悪い外法星導師ジグウォルは、究極の星導術が記された伝説の書の噂を耳にする。だが書物を求めるジグウォルの前に、かつての幼なじみで今は敵対する勢力・聖堂の騎士となった少女リシェルが現れ!?


う〜ん、、、普通に面白かったが、なんとなく物足りない。とりあえず同作者の某地図の作品に比べるとワクワク感は少なかった。
きっちりファンタジーな世界観と強い主人公など、古きよき時代の富士見ファンタジアらしい作品という印象で、世界観や展開にそつがなく非常に読みやすい。
ただ、本を集める物語にしては本の存在感が薄いような気がする。ことある毎に本は出てくるものの、別に本じゃなくても話が成立しているというか。極度の読書バカで気が合いそうな主人公ジグウォルに、何故か共感できないのもそのせいなんだろうか?
キャラも良くも悪くもオーソドックス。
特にこれというキャラはいないがわりと存在感があったのは『万巻の書』レジィナ。ジグウォルに女性が近づく度にヤキモチを妬きまくる姿がなかなか可愛かったのもあるが、その内に何十万もの書物を内包しているというどこかで聞いたことあるような設定のヒロインが活躍する様子が妙に新鮮だったw
あー、なんとなく否定的な感想になってしまったけど、普通に面白いですよ、ええ。