いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「花守の竜の叙情詩2」淡路帆希(富士見ファンタジア文庫)

花守の竜の叙情詩2 (富士見ファンタジア文庫)
花守の竜の叙情詩2 (富士見ファンタジア文庫)

「これから、俺と君とで旅に出る。捕まれば、命はない」
その一言から、二人の長い旅が始まった。囚われの王女アマポーラと、王位継承に敗れた第二王子テオバルト。支配した者とされた者。反発していた二人は、やがて恋に落ちた。だが――旅路の果てに待ち受けていたものは、辛く、悲しい別れだった。
忘れられない。傍にいることはできないけれど、あなたのために生きていく、共に誓う二人だったが、テオバルトには生命の危機が、そして、アマポーラには望まぬ婚姻が舞い込んでくる。
「テオバルト。愛しているから、あなたを……」
無慈悲な運命にあらがい、立ち向かう。強く切ない愛の物語!


1巻より泣ける。
周りの人を、そしてお互いを思うがゆえに傷ついていく二人が痛々しくて切ない。中でも1巻のラストの『君を想う故に、連れて行けない』と対になるであろうアマポーラの言葉は文句なしで泣ける。
でも、それ以上はないかな。
前編ということもあるが、切なさばかりが勝っていて1巻にはあった温かさとか心に残るものが少ない。
今のところは1巻のまま終わってたほうが綺麗だったと思えるが、後編でどうなるか。
前編ではいいところがなかったテオの活躍に期待。そして二人の笑顔が見られますように。