いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「キケン」有川浩(新潮社)

キケン
キケン

【キケン】成南電気工科大学機械制御研究部
略称【機研】。彼らの巻き起こす、およそ人間の所業とは思えない数々の事件から、周りからは畏怖と慄きをもって、キケン=危険、と呼び恐れられていた。
これは、その伝説的黄金時代を描いた物語である。

破天荒とかそんなレベルじゃない滅茶苦茶な部長上野と、その部長になんだかんだできっちり付き合ってしまうノリのいい部員達の理系大学生ハチャメチャ青春小説。


楽しかった。
作品としても作中でもこれだけ本気で全力で遊ばれたら楽しくないはずがない。
機械系はこういうノリが出来るからいいよなあ。同じ工学部でも建築系だった自分にはこのノリは経験がない。実験は基本地味だし、どんな美麗な模型作っても当然戦えないしねぇw そんなわけで羨ましいという想いを募らせながら読み進んだ。
全6話どれもいろいろとやらかしてくれているが中でも好きなのは文化祭の話。専門分野じゃなくてもこれかい!というのと、部の中では常識派の主人公元山の豹変ぶりが面白い。元山くん、あんたもバッチリ【キケン】だよw
そんな楽しさ全開の中にほどよい甘さと涙腺を刺激するオチを入れてくる辺りは流石の一言。あの書き込みはくるわ。
作品の雰囲気といい上野のキャラクターといい、いつもの有川作品とはだいぶ毛色の違う作品だったけど、文句なしで面白かった。これ、電撃文庫で出しても何の違和感もないな。



注)ラーメンが出てくるので夜読むことはオススメしません!