いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「オオカミさんと○人間になりたいピノッキオ」沖田雅(電撃文庫)

オオカミさんと○人間になりたいピノッキオ (電撃文庫)
オオカミさんと○人間になりたいピノッキオ (電撃文庫)

最近彼女が冷たいとお悩み中のピノキオ君。そりゃお前が変態だからだよ! とのりんごさんのツッコミで真人間を目指すことになり……。当然、その矛先は最近すっかり「紳士」づいてきた亮士くんにも向かうわけでして。亮士くんとピノキオ君は二人して、真人間になるというどうしようもない誓いを交わすのだが!? まぁ、そんな面白い展開を、りんごさんが放っておくわけがないのです。
さらに、おおかみさんが恋愛について、子供たちにしみじみと語るという、ありえなそうなお話も収録。男を見る目は重要だと、偉そうにおっしゃっていますが、アナタ。亮士くんがアリだと思っている時点でヤバいかもですよ。おおかみさん、すっかり丸くなっちゃって、もう。こりゃ、デレるのも時間の問題か!? いやいや、これからひと波乱ありますよ!!


こいつら・・・隙あらばイチャつきよって。ちくしょう!w 
そんなわけでオオカミさんデレまくりです。メインであろうがなかろうが、あっちで赤面しこっちで赤面しと、昔の強気な姿はどこへやら。これは過去10巻ツンを見てきた読者への御褒美ですね。いやー可愛いったらありゃあしない。ニヤニヤが止まらないね。


前巻が最終話以外アレだったので期待半分不安半分だったのだけど、今回は馬鹿話ありシリアスだけどちょっといい話ありとバランスも取れていて全体的に良かった。面白かった。
次で本編は最後か。ということは、ついにあの陰湿なラスボスが出てくるか。あいつが出てくるとどうしても後味悪くなるから好きじゃないんだよね。それよか完全デレオオカミさんが読めるらしい後日談が楽しみで仕方がない。



以下各話毎


亮氏くんピノキオと一緒に○人間を目指すことになる
内容:二人で真人間を目指すはずが・・・
男子って馬鹿よねって話。二人の覚悟を踏みにじる男たちの熱き友情(笑)に苦笑を禁じえないw
でもこの話、冒頭の紳士な皆さんのフェチ会話が一番の見所だと思うんだ。「手にひらに息を吐いて暖めてる姿」には激しく同意。あれはいいものだ。



田貫さん宇佐見さんのせいでカチカチになって覚悟を決めることになる
内容:スピンオフで仲良くなったオカマと腹黒美少女のその後。
じwwwwwごwwwww
電撃MAGAZINEでこれやったのか、少年誌なのに。なんというチャレンジャー。
と、インパクトのあるオープニングに反して中身はわりとシリアス。
自分のことを抜きにして相手のことを真剣に考える田貫さんと、心配をかけまいとする宇佐見さん。二人ともいい子だなあ。そして、そんなすれ違いそうなシチュエーションでも、ちゃんと向き合って意見を言い合える二人の関係が羨ましい。
今後どの道に行ってもこの二人なら末永く楽しくやっていってくれそう、そんな幸せな感じがひしひしと伝わってくるいい話だった。この巻の4話の中では一番好き。



おおかみさんかぐや姫の問題を陰ながらかいけつすることになる
内容:3人の担任教師かぐや先生の悩みを解決
どんなに相手が悪だとわかっていても自分に武器がないとってか。世知辛いね。ま、駄目セレブ男が撃退されていく姿が爽快だったからいいか。
それにしてもりんごさん。スピンオフから宇佐見さんは株を上げてるけど、あなたは期待通り底辺のままですねw



おおかみさんこびとの国に迷い込んでこびとたちの争いにかかわることになる
内容:白鳥先輩ん家のマセガキ共再び登場。
ガキ共うざすぎワr・・・笑えんわ。雰囲気ぶち壊しもいいところだ。オオカミさん私もこいつら殴っていいですか?
でもオオカミさんの所作だけを読んでいる分には非常に楽しい。特に涙目は良かった。あれを引き出した猫さんには鰹節を進呈したい。