いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ニーナとうさぎと魔法の戦車」兎月竜之介(スーパーダッシュ文庫)

ニーナとうさぎと魔法の戦車 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)
ニーナとうさぎと魔法の戦車 (スーパーダッシュ文庫)

戦災によって放浪の身となった少女・ニーナ。ある日、彼女は結婚式会場から食事をくすねようとしているところを見つかってしまう。警察に突き出されることを覚悟したニーナだったが、魔動戦車とともに現れた少女たちによって赦される。彼女たちこそ、戦争が生んだ災厄・野良戦車から街を守る私立戦車隊…通称・首なしラビッツのメンバーだった。そこに野良戦車の襲撃を知らせるサイレンが鳴る。かつて戦車に乗っていたニーナ。そして砲手がいないラビッツ。
ラビッツの戦車長・ドロシーはメンバーたちに向かって言い放った。
「たった今、新しい砲手が見つかった!」
第9回SD小説新人賞大賞受賞作、堂々登場!!


女の子いっぱいの魔法×戦車のファンタジー
あっちの戦車もこっちの戦車も美少女だらけ。完全に趣味の世界だね。とてもいいと思います!w
一癖も二癖もあるキャラばかりで彼女達を追っているだけで楽しい。中でもお気に入りはエルザとクー。普段はお互いにツンツンしてるのに、動揺すると相手のことが一番大切だと態度に出てしまう相互ツンデレ関係がニヤニヤもの。
本筋は、戦車隊に拾われる薄幸の少女・ニーナの物語。
12歳という幼い年齢らしい激しく揺れ動く心情に、周りの助けを得て傷ついた心を癒したり、人間的に成長していく姿は成長譚として読み応え十分。
ただ、最後の戦闘がなあ・・・
突然のスケールアップで戦車レベルの戦いでなくなってしまったのはまだ許容範囲だとしても、流石にこのラスボスはないわ。ズコー感がハンパない。いっそ逃がして続きが書ける状態にしておけば良かったのに。
結構好きな作品ではあるが、やっぱり最後が締まらないと尻すぼみ感は否めない。