いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「変態王子と笑わない猫。2」さがら総(MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。2 (MF文庫J)
変態王子と笑わない猫。2 (MF文庫J)

夏が終わる。十六歳のたった一度きりの夏が。いったいぼくは何をして過ごしたというのだろう? 大いに焦る横寺陽人は、今日も今日とて空回り。月子に振られ、小豆に振られ、ポン太に振られ――自宅までも消滅した! なんで? どうして? どういうこと!? なにもかも喪って、どこに行くあてすらもない。雷雨のなかにひとり、「それなら先輩。今夜は、わたしの家に泊まるですか」「あ、うん。うん?」……夏の終わりの台風日和。最後の最後に、最高のホームランイベントが待っていた! 風呂場の裸。縛られる布団。落ちる手錠。破られる衣服。そして――土蔵に潜む猫?早くも人気沸騰の爽やか系変態青春ラブコメ第二弾! バイバイ、ぼくの初めて――


あずあずの制服姿が表紙ということは2学期スタートで小豆回・・・という予想を大きく裏切って、舞台の九割が筒隠家のがっつり筒隠姉妹編。姉妹二人きりの家族、月子とつくしの両方が感じている寂しさが騒動を巻き起こす。
その寂しさの表現の違いが印象的だった。
強いイメージとは裏腹に何度も弱音を吐く姉・つくしと、表情のこともあり寂しさを表には出さない月子。前者はギャップに驚き、後者はこうやって我慢してきたんだなあと思うと切なくなる。
それを両方を理解して受け止めてみせた横寺に乾杯・・・変態だけどw


なーんて、ハートウォーミングな一面もありますが、やっぱり本質は女の子が可愛さに特化したラブコメでありまして。
気が付かないのは朴念仁主人公ばかりなりな、ヒロインたちの横寺への好意の数々が可愛いのなんのって。
何が凄いって月子と梓の変態許容力。え?そこまで許せちゃうの?というのばかりで、二人とも想像以上に横寺のことが好きなんだあと。
そして極めつけは月子の料理シーン。歌といい格好といいなんなのこの破壊力。どうやってニヤニヤを止めろと? こんなの無条件降伏ですよ!


次は『小豆梓の逆襲』(予定)らしい。本命は最強&つくし本格参戦の中、押しの弱い梓に勝機(というか美味しい目をみる機会)は本当にあるのか?