いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「変愛サイケデリック」間宮夏生(電撃文庫)

変愛サイケデリック (電撃文庫 ま)
変愛サイケデリック (電撃文庫 ま)

「ストレンジサイケデリコ」こと彩家亭理子(さいけてい りこ)は、その名の通り千光高校きっての有名な変人であり、変わった愛情を持った者が集まる「変恋部」の部長である。そんな彼女が「愛しいね」と目をつけたのは、春になると死にたがると噂のクール系男子・神宇知悠仁(かみうち ゆうじん)だった。理子は悠仁の言動が「変愛」に関係しているとにらみ、興味を持つのだが……。
前作「月光」と同じ世界を舞台に新たなキャラが紡ぎ出す、間宮夏生×白味噌コンビで贈る異色の青春“変愛”物語!


変人、偉そう、口調は堅苦しい。どこにでもいそうで可愛げのないタイプのキャラクターのはずなのに、なんでこんなに可愛く感じるんだろうか。
元々、理屈をこねるタイプの女子が好きというのもあるが、変人らしい言動の合間にふと見せる普通の女の子っぽさにやられてしまう。前作の葉子さんといい理子さんといい「平凡は愛せない。でも根本はやっぱり女の子」といったタイプのヒロインを表現するのが本当に上手い。
と、ヒロインの魅力は申し分なしだったのだけど、内容の方が前作に比べると微妙。
最大の問題は会話かと。理屈っぽい理子の話についてこれる人間がいないので、会話ではなく理子一人が喋っているだけという印象。前作『月光』がスリリングな会話が面白い話だったので、このヒロインでどんな会話をしてくれるのか期待しただけに、落胆は大きかった。その上、何故か彼女の興味対象である神宇知との絡みが少ないので、その変人さ加減があまり伝わってこない。
それと名前。ネタに走るのはいいが、もう少し捻って欲しかった。閻魔様なんか名前でネタバレしてるし。
キャラは良かった。それだけに理子やその周りの人間の『変』さがが生きる内容の話にして欲しかった。




こらっ野々宮。葉子さんや千鶴を差し置いて挿絵で登場してんじゃねーよw
その挿絵がね・・・どんなスケジュールだったんだろう(^^; 215ページのなんか俺でも10分で描けそうなんだが。