いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「おとーさんといっしょ! 少女とメガネとハイペリオン」中谷栄太(GA文庫)

おとーさんといっしょ! 少女とメガネとハイペリオン (GA文庫)
おとーさんといっしょ!少女とメガネとハイペリオン (GA文庫)

珪素生物と彼らの「円卓政府」が統治する地上で「運び屋」をしているリュウは、ある夜、騒動に巻き込まれる。
荷物の届け相手は殺され、リュウ自身も謎の敵に襲撃され、おまけに運んでいた荷物から出て来たのは、珪素生物の少女――!?
「ほら私おとーさんの娘で、相棒で、将来的にはお嫁さんでしょっ?」
「娘ではないし、お父さんでは断じてない。そして、そんなろくでもない将来の計画を立てた覚えもない!」
「これから立てさせてみせるもん!」
なぜか自分を父親呼ばわりし、懐いてくる少女ルーに困惑するリュウ。奇妙な同居生活が始まるが――?
GA文庫大賞《奨励賞》受賞作!


うん、まあ、女性陣の描写は良かった。
子犬のようなルーも可愛かったが、好みはクロエ。典型的な素直になれない幼馴染みも肩書きのある女性がやるとなかなか。
・・・良いと思えたところはここだけでした。
舞台や道具である世界観に振り回されてしまった残念な作品。
珪素生物とそれを取り巻く状況の説明が多い、長い、くどいの三重苦。また、その説明に押し出されたようにキャラクターの特徴や格好、情景描写が少ないので状況が想像しにくい上に、シーンの間に入る説明が長いので話に流れがない。端的に言って読みづらい。
説明が少なくなってくる後半も、人物や情景の描写が少ないのは同じで何をやっているのか分からないことが多く、全然面白くない。まあ、すでに説明ばかりでうんざりしていたというのもあるけど。
書きたいことの詰め込みすぎで失敗している新人賞作品はよくあるけど、世界観だけでパンクしている作品は珍しいかも。