いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「有川浩 脚本集 もう一つのシアター!」有川浩(メディアワークス文庫)

有川浩脚本集 もう一つのシアター! (メディアワークス文庫)
有川浩脚本集 もう一つのシアター! (メディアワークス文庫)

春川巧が主宰を務める小劇団『シアターフラッグ』。300万の負債を抱え解散の危機が迫る劇団に、地方都市の高校から学校公演の依頼が舞い込む。利益が見込めないことを理由に反対する、鉄血宰相・春川司を尻目に、初めての公演依頼に舞い上がる『シアターフラッグ』のメンバー達。しかし、意気揚々と学校へ乗り込む彼らに思いも寄らぬトラブルが次々と降りかかり……!?
有川浩が舞台『もう一つのシアター!』のために書き下ろした珠玉の脚本集。巻末には、大和田伸也、阿部丈二とのスペシャル対談を収録。


脚本ってどうなの?と思っていたが、これは非常に読みやすい。
本当の脚本がどうなっているのかは知らないが、この本だけのことを言うなら、ライトノベルのあとがきでよく見られる対話式あとがきによく似た形なので、テンポよくどんどん読める。
ただその分、見た目の薄さ以上にボリュームはなく先が簡単に読めてしまうので、物語としても少々物足りない。まあ、焦らしてくれた方が面白い小説と違って、分かりやすさも求めなければならない舞台の脚本だから仕方ないか。
それでも、会話中心(演劇だから当然だが)な為か、シアターフラッグのメンバーの魅力もダメ人間ぶりもいつも以上に感じられたのがよかった。
それと、意外に面白かったのが註釈。裏話的な内容が多く、舞台裏を覗いているようなワクワク感がある。
舞台の脚本ということで半信半疑な読み始めだったけど、短編のようだったけどオリジナルストーリーだったし、登場人物の魅力は十分で問題なく楽しめた。