いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「サカサマホウショウジョ」大澤誠(スーパーダッシュ文庫)

サカサマホウショウジョ (サカサマホウショウジョシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)
サカサマホウショウジョ (集英社スーパーダッシュ文庫 お 5-1)

ある日、魔法少女たちが住まう魔法国家まほろばがこの世界に現れた。
親善大使として日本の学院に派遣された魔法少女・ゆうまは不安にかられる国民の安全のため、この世界の征服を企んでいた!
手始めに派遣先の学院を支配しようとするゆうまだったが、そこ待っていたのは想像を絶する能力を持った生徒たちばかり!
ここでは魔法少女などただの一個性でしかなかったのだ。
早々と世界征服をあきらめたゆうまだったが、学院にはさらなる影が迫っていた…!?
第10回SD小説新人賞優秀賞受賞作、リリカルに登場!!

おバカで憎めない主人公・ゆうまに変態サイエンティストの山田、山田の幼馴染みの堅物少女・嵐の三人を中心に繰り広げられる魔法、超科学なんでもありのドタバタコメディ。



キャラクターはまあまあ、ストーリーは荒唐無稽。
第一章だけなら勢いのあるバカコメディに思えたんだけど……。



以下酷評
第二章から地の文が変。読んでいて気持ちが悪い。
一から十を通り越して十二まで説明していく読者に行間を読ませない文章だけでも読んでいて疲れるのに、それに加えて無駄な改行、基本三人称なのに突然一人称が混ざる、テンションが乱高下する、登場していないキャラの思考整理を地の文でやり始める等々、地の文が暴走状態。第一章は説明過多なのはともかく、文体は平素で改行もそこまで露骨じゃないのに、どうしてこうなった?
そもそもコメディなのに、このテンポの悪さと会話が少なさは致命的。それでいて巻末おまけ小説は会話中心の読みやすいコメディになっていたりするからよく分からない。
この不安定さが新人らしいといえばらしいのかもしれないけど……。第一章+おまけとそれ以外を違う人が書いているのでは?と思うほど、第二章〜終章は読みづらかった。
とにかく読み切るのに疲れた。