いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「いわゆる天使の文化祭」似鳥鶏(創元推理文庫)

いわゆる天使の文化祭 (創元推理文庫)
いわゆる天使の文化祭 (創元推理文庫)

夏休みも終わりにさしかかった文化祭目前のある日、準備に熱の入る生徒たちが登校すると、目つきの悪いピンクのペンギンとも天使ともつかないイラストが描かれた、大量の貼り紙が目に飛び込んできた。部活にちなんだ様々な恰好の〈天使〉の貼り紙を不思議に思いつつも、手の込んだ悪戯かと気を抜いていた葉山君だったが──。波瀾万丈で事件に満ちた、コミカルな学園ミステリ・シリーズ第四弾。

文化祭準備期間に起こる奇妙な事件を、我らが葉山くんと蜷川奏という一年の女子の二人の視点で追うシリーズ第4弾。



もうおまえら結k(ry
柳瀬さん、葉山くんにべた惚れじゃないですか。
180頁からの柳瀬さんの破壊力がやばい。可愛すぎる。
本当なら公衆の面前でけしからんことをしでかした葉山くんを野次りたいところだが、こんなこと言われたらしょうがない。それに校内公認の愛妾だしねw
まあ、そんなイチャイチャバカップルのことは置いといて、
ミステリとしてはヒント出し過ぎというか不自然に隠し過ぎというか。違和感が多くてわかりやすかった。「無駄に多い“市立”」「貼り紙」「葉山くんの精神状態」と各章のラストを考えるとおのずと答えが出るかと。
それでも、相変わらず変なところで抜けている葉山くんに苦笑したり、今回のもう一人の主人公・奏の行動力にハラハラさせられたり、文化祭前の熱気と2−3の頑張りにあてられたりと、学園ものとしては十分に楽しめる。
シリーズ読者としては、チートキャラ伊神さんがおまけ程度にしか出てこないのはやや不満ながら、前作『まもなく電車が出現します』から急速に近づいている柳瀬さんと距離を感じられてニヤニヤできたので割と満足。