いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「豚は飛んでもただの豚?」涼木行(MF文庫J)

豚は飛んでもただの豚? (MF文庫J)
豚は飛んでもただの豚? (MF文庫 J す 6-1)

元不良でこの春から高校生になる真宮逢人は、バイト先から逃走する食い逃げ犯を追いかけていた。逃げられそうになったところを、ポニーテールの美少女・藤室綾の純白の……――ではなく、ハイキックに助けられる。真宮はその日から、綾のことをなぜか忘れられずにいた。高校の入学式当日、真宮の席の目の前には、見覚えのあるポニーテールが揺れていて、思わぬ再会を果たす。さらに、バイト先には綾の妹・瑞姫までやってきて、新しい日々が始まる予感。そんなある日、真宮は瑞姫から「綾姉のこと気になるんでしょ?」と告げられ――。第7回新人賞〈最優秀賞〉受賞作・元不良の少年と美少女三姉妹が織り成す、青春×初恋×ぽんこつストーリー堂々開幕!!


純朴少年の初恋物語。MFでは大変珍しい男の子に萌える作品。
純情少女の初恋は間違いなくいいものだけど、男はどうだろう?と思いながら読み始めたら、、、これもなかなかいいもんだ。かわいいじゃないか。
なーんて本人に言ったら速攻でぶん殴られそうな粗暴な少年ながら、実直かつ純朴で好感が持てる主人公・真宮。そんな彼が生まれて初めての感情に動揺しアタフタする様子には、やはりかわいいという形容詞しか浮かんでこない。
その真宮と絡むのが、三つ子三姉妹の長女・綾と三女・瑞姫。破天荒な長女としっかり者の三女とタイプは違うが、二人とも行動的で、こちらも読んでいて気持ちがいいタイプ。
そんな三人が送る高校生活と恋愛模様は、若さゆえのバカ騒ぎ、気持ちがすれ違う切なさ、上手くいかないもどかしさなど、羨ましくなるほど全力で青春してるなーという感じ。青春を堪能した。
ただ、新人賞作品にしては1巻然としているというか「あれ?ここで終わり?」という終わり方。
変則な三角関係は始まったばかり、豚こと風太郎と次女雲雀はキャラ紹介の域を出ていない、真宮はまだ何も頑張っていないと、どこにもオチがないのでラストはかなり中途半端。
2巻が出るなら問題ないのだが……でるよね?続き。