いつも月夜に本と酒

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「ひきこもりの彼女は神なのです。4」すえばしけん(HJ文庫)

ひきこもりの彼女は神なのです。4 (HJ文庫)
ひきこもりの彼女は神なのです。4 (HJ文庫)

友人の細屋に誘われ、初等部の一泊二日の野外教室に付き添うことなった天人。のどかな小旅行のつもりだったが、初日から『人ならざるもの』の仕業と思われる不思議な事件が次々と発生。天人は同行した梨玖やコウタと解明に挑むことに!
一方、紅南寮で留守番をする亜夜花は、天人と梨玖がそろって外泊することに強い危機感を覚えるが……!?


コウタの初等部(小学校6年)の野外活動のお手伝いをすることになった天人とクラスメイトの細屋。途中から参加の梨玖。ということで、今回は派手なアクションもなく天人も死にかけない、このシリーズとしてはゆるい回……表面上は。
野外活動はコウタが天人に対してちょくちょく女の子しているのが楽しい。お留守番組では亜夜花が一人ラブコメ。メールの返信に一喜一憂とか恋愛初心者の醍醐味じゃないですか。完全にデレ状態なのに自分の気持ちに素直じゃない言動のギャップが可愛らしい。
と、ラブコメとして面白かったのだけど、それより良かったのがこのシリーズ本来のテーマ。
神と人の根本的な考え方の違いを通じて、価値観の違う人とどう付き合うかというテーマはそのままに、相手が細屋だったからなのか戦闘がなく天人が落ち着いていたからか、天人がどう歩み寄るか必死に言葉を探している姿が見えて、これまでより天人の言葉が沁みる。
……って、あれ? 梨玖さん?
なんで(元)人間と神様の立場が逆になってるの? 価値観の違いで恐れられたり、天人に説教されたりするのは神様の仕事のはずなのに。そういえば1巻の登場時からヤンデレの気があったか。
神様や魔術師の大暴れがなくてのんびりムードだったのに、こんなところで背筋が凍るシーンが待っていようとは。
次回、梨玖の挑発に亜夜花が動く……動けるのか?