いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「こわれた人々」高岡杉成(ガガガ文庫)

こわれた人々 (ガガガ文庫)
こわれた人々 (ガガガ文庫)

高校生・向井城介は、普段は人との交流を持とうとしない暗い少年。しかし、昔から「突然キレて上級生と殴り合いのケンカを始める」「プールの授業中に抜け出して女子の下着を盗む」など数々の奇行に走るために、学校中から「不安定な奴」として避けられていた。そんな城介の行動にクラスメイトの倉橋美冬は、3年前に不慮の事故で亡くなった母を重ね合わせる。最期まで母のことを理解してあげられなかった美冬は、城介に救いの手を差し伸べようとするが――。第6回小学館ライトノベル大賞、優秀賞受賞作!!


ガガガの優秀賞でこのタイトル。どんなゲテモノ奇抜なものが出てくるだろうと期待半分不安半分で読み始めたんだけど、、、これといったインパクトはなかった。
いい中二設定ではあった。但し、話が面白かったかと言われるとイエスとは言い難い。
序盤は、自分にしか見えないウラビトという存在と対峙しなければならない主人公。それを傍から見るとどう映るかというのが主題の話かと思わせる内容だったものが、気が付いたらシリアス重視の学園異能っぽいものに。
こんなに思いっきりシリアスな流れにするなら、主人公の過去の奇行を羅列するよりはがっつり設定を説明してた方がその世界観に入り込めるのに。
ウラビトの成り立ちにしても、美冬の能力にしてもよく分からないまま進んでよく分からないまま終わってしまった。折角のいい話風の終わり方なのにモヤモヤが大量に残って読後感がよろしくない。
勝手に変な期待をしといてこんなこと言うのもなんだけど、裏切るならいい意味で裏切って欲しかった。裏切り方も内容も全体的に中途半端。