いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「俺、ツインテールになります。」水沢夢(ガガガ文庫)

俺、ツインテールになります。 (ガガガ文庫)
俺、ツインテールになります。 (ガガガ文庫)

観束総二はツインテールを愛する普通の高校生。ある日、彼の前に異世界から来たという美少女・トゥアールが現れる。時を同じくして、総二の住む町に怪物たちが出現!「この世界の全てのツインテールを我らの手中に収めるのだ!」。彼らは人々の精神エネルギー『属性力』を糧に生きる異世界人だった。トゥアールから、強力なツインテール属性で起動する『空想装甲』を託された総二は、幼女のツインテール戦士・テイルレッドに変身! こうして異世界の変態たちとの壮絶な戦いが始まった!? 第6回小学館ライトノベル大賞審査員特別賞受賞作。

地球の平和を脅かす異世界人と対峙する美少女“残念”バトルアクション。



すみません、タイトル+出オチだろうと高を括ってました。
マジでツインテール一色だ! タイトルに偽しにもほどがある。これだけおバカでハイテンションなノリを最初から最後まで突き通されたら笑うしかないって。ガガガ新人賞恐るべしw
そんなわけで勢いがあって笑えるギャグ小説なのだけど、目を見張るのが新人賞でギャグ小説とは思えない完成度。
世界観はしっかりしているし(かなり中二が入っていてそれをネタにしていたりもするが)、会話もバトルもテンポが良くて読みやすい。そしてなんといってもキャラが濃い。
ツインテールが好きすぎて色仕掛けすら通用しない主人公や、変態以外に形容する言葉が見つからない異世界人でもすでに頭のネジが数本抜けているが、女性陣がもっと酷い。
隙あらば主人公を襲おうとする(性的な意味で)異世界から来た真正の変態♀と主人公が好きすぎてバーサク化する幼馴染み♀の過激などつき漫才コンビに、中二病をこじらせてすでに手遅れな母。この人たち言動を読んでいるだけでも笑えるわ。
いやー笑った。面白かった。今年のガガガ新人賞の中では文句なしのNo.1。残念系と言えば日常コメディが主流の中、新しい“残念”の使い方を見せてもらった気がする。