いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔弾の王と戦姫5」川口士(MF文庫J)

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉5 (MF文庫J)
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉5 (MF文庫J)

ムオジネル軍との戦いから十日。“銀の流星軍”はぺルシュ城砦に駐屯し、きたる決戦の準備を進めていた。一方、五頭の竜を従えたテナルディエ軍は北上し、ガヌロンの本拠地アルテシウムへ向かう。三つ巴の戦いが勃発しようとするそのとき、ジスタート王宮にもひとつの出会いがあった。「ヴァレンティナ……」「おひさしぶりですね、ソフィーヤ」巨大な鎌の竜具“虚影エザンディス”を持ち、儚げに微笑む戦姫、ヴァレンティナ。ソフィーも警戒する彼女の目的とは……? そして遂に切り開かれる戦端のなか、ティグルは大切なものを失い、なお前に進むことを求められる。そのとき、背中に吹くのは力強き銀色の風――。最強戦姫ファンタジー、第1部堂々完結!


祝、続刊!
購入前からあらすじの「第一部完」の文字に大きな不安を憶えてあとがきから初めに読んだら「すぐに第二部に続く」の一文があって一安心。



色々と伏線を張りつつ駆け足で区切りまでな5巻。
今回の見どころは個対個。戦姫vs竜、ティグルvsテナルディエなど派手で息詰まる強者同士の戦いで熱くなれる。
反面、戦略重視の軍対軍の戦いは控えめ。軍対軍の方が好きな自分としては物足りない部分があるが、その代わりに地図を見ることを前提としたエレンの語った未来図に読み応えがあった。戦いにしろ国の行く末にしろ先へ先へと思考を巡らせていくのはやはり面白い。
個といえば今回のハイライトは間違いなくバートランだった。おっさんキャラにスポットが当たるのは嬉しいが、あれは……。最も感情が揺さぶられるシーンだったことだけは確か。
さて、第二部への持越し要素として一番大きいのはガヌロンか。ここまでの大物だとは思わなかった。今回も彼の掌の上という側面が大きく、内乱が収まったにも関わらず気持ち悪さが残る。今回は完全に顔見せだけだった表紙の戦姫共々今後の動きが気になるところ。
ちなみに前回の顔見せ娘にして今回の話の中心であるレギンさんは……簡単に落ちたなぁ(^^; ティグル先生はハーレム王への道まっしぐらっすね。
第二部は新しい土地で新たな戦火に飲まれるであろうティグルの活躍に期待。もちろん新たな女性関係にも期待!w