いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「飛べない蝶と空の鯱2 〜たゆたう島の郵便箱〜」手島史詞(ガガガ文庫)

飛べない蝶と空の鯱―たゆたう島の郵便箱〈2〉 (ガガガ文庫)
飛べない蝶と空の鯱 2 (ガガガ文庫)

風を読むことが下手で、翼舟の操縦が下手な少年・ウィルと、過去に負った傷から空を飛ぶことが怖くなってしまった少女・ジェシカ。お互いの欠点を補わないと飛べない二人は、未だ誰も見ぬ空の果てを目指すという夢とともに、空飛ぶ郵便屋「蝶と鯱」を経営していた。ある日、謎の男からの依頼で持ち込まれた封書を届けると……誰もいない廃墟に唯一残されたトランクの中には、冷たくなった裸の少女が!
二人は世界の創世記の伝承「七つの鍵」の秘密に巻き込まれることに!!
空の上を駆ける爽快冒険ファンタジー、待望の第二弾。


vs《フェンリル》の空戦が素晴らしかった。
ジェシカとウィルの想いと初めて明かされる実力、それでもピンチの連続な手に汗握る展開。見開きの綺麗な挿絵もあり色々なものが詰まったワンシーン。ここだけは感動した。そうここだけは……。
2巻は400ページ超あって、駆け足であっさりだった1巻より物語が丁寧に紡がれていることだろうと思ったら、まさか1巻よりもさらにバランスが悪くなっているとは。
どうしてこの設定でアクションメインになるかな。しかも陸上の。おまけに少年漫画よろしく戦闘力がインフレしてる。
終盤のジェシカvs《フェンリル》は何やってるのか全然わからん。別で戦っていたウィルの相手も口調はうざいし、しつこくて同じような戦闘を何度も読まされるしで、良いところなし。
それに今回のメインストーリーだった記憶喪失少女の顛末も、ごちゃごちゃしすぎていて状況把握するのに精いっぱいで感動する余裕がない。
翼舟での危険な航海が、ジェシカとウィルの痴話喧嘩が、少年少女が追う夢の過程が、封書が届ける切なくも優しい気持ちが読みたかったのだけど、これらはおまけ要素でしかないらしい。
好みの大分離れていってしまった方向に行ってしまったなぁ。