いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ベン・トー9.5 箸休め 〜濃厚味わいベン・トー〜」アサウラ(スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 9.5 箸休め~濃厚味わい~ (スーパーダッシュ文庫)
ベン・トー 9.5 箸休め~濃厚味わいベン・トー~ (集英社スーパーダッシュ文庫)

半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋は、冬休み明けの部室で槍水の掃除を手伝うのだが、そこで起きたアクシデントをきっかけに禁断のフェティシズムの世界へと飛翔することになり…!? そして白粉が初体験した年末年始のビッグイベントにおける豊潤なエピソードや、それを見守る白梅との過去が明らかに!
書き下ろしの他にウェブ掲載された短編や、雑誌掲載の『間食版』、白粉花の新作『獣道』をアツくレビューする『ANの5時の読書会』まで収録! 様々な意味で濃厚に仕上げた(当社比)庶民派シリアスギャグアクション、狼たちの欲望うずまく9.5巻!!


8巻9巻前後の話が中心の短編集第三弾。
冬、それは祭の季節。
ということで、圧倒的な存在感を放つ白粉先生(新作の解説ブログ含む)と、ベン・トーらしからぬ甘い雰囲気を漂わす幼馴染みカップルに注目。
……そう冬なのよね。なのにカラー口絵が水着ってどういうことですか? 先輩の御身足アップはGJと言わざるを得ないけど、これでは趣がない。冬の装いには冬の装いの楽しみがあると思うんだ。(まあ実態は柴乃先生のスケジュールの問題で、ジャンプSQあたりの使い回しとか身も蓋もない理由なんだろうけど)
でも、表紙は大変良いものですね。パッと見健全なのに右手の位置が怪しげで実に百合百合しい。流石は白梅様やで。何はともあれ二人とも表紙デビューおめでとう。白粉が初なのがかなり意外。



1章 ボーダーをブレイク
内容:冬休みが終わって登校初日の出来事。
壬www生www
流石は勇者石岡。ちょっとした脱線話でここまで笑わせてくれるとは。中指の話も語って欲しかった。
で、なんでこの話になったんだっけ? ああ、白梅様との結婚話か。最近の佐藤の暴走を見ていると相手が梅なのが最善策のように思えてくる。他のヒロインの安全という観点で。これぞまさしく人生の墓場w
後半は終始エロく邪な佐藤を上回る先輩のピュア度に感服。エンジェルすぎるぞ槍水姉妹。ご両親にどんな育て方をしたんだ?



2章 簡単な質問
内容:沢桔姉妹の妹・鏡にラブレターが届く。
天然って怖いわーって話だったはずなのに「アッー!!」がすべてを上書きしていく。警備員はもっと怖いわー。
ところで梗さん。その理想を追い求めると行き付く先はA○男優な気がしてしょうがないんですが。
……鏡さん、マジお疲れ様です。誰か彼女に休息のできる環境を!



3章 有明の狼たち
内容:白粉花、戦場へ……ん?
冒頭の注意書きが必死すぎるw こんなの何をやらかしてくれるんだという期待を膨らますだけですよ。
舞台はタイトルが示すとおりのアレの冬の方。
やだ、白粉先生カッコイイ。戦場でのマナーと信念を語る彼女はまさに狼。本家よりこちらの方が「戦場」って感じがするからか妙なリアリティが。
オチは……まあ自己パロディネタならこうなるわな。



4,7,9章 間食版「4」「5」「特別編」
内容:酢豚のパイナップルや「いい塩梅」の意味など、どうでもいいことを真面目に考察するコーナー。
仙が一年の時、まだ部だったHP部が舞台。この仲の良さを感じてしまうと、現在の別れ別れになっている先輩たちの間柄が切なく感じるね。
弁当描写はこの間食版が一番充実。鶏が…鶏が食いたい。
ちなみに私も酢豚のパイナップル撲滅推進派です。



5章 白粉花の年末
内容:白粉花、戦場へ。今度は本物。
ジモノで吹いた。くっそ、もの凄い敗北感だwww
白粉が一人で売り子が出来るまでになったのが、佐藤や仙に出会ったおかげと思うと感慨が……あまりないなw 3章のイメージが強いので、同じ趣味の人間が周りにいる状態でもおどおどしている白粉に違和感を憶える。
幕間に白粉先生の新作『獣道』の感想ブログ風おまけあり。カオスすぎてなんにも言えねえw



6,8,10章 「いつもこんな感じ」シリーズ
内容:年末年始の佐藤と著莪の日常
あ、甘い。
完全に男女ですやん。2巻の初登場当時は100%男友達感覚だったのに、いつの間にこうなった?
幼馴染みカップルらしい初めて相手を異性として意識したような甘酸っぱさがありつつ、スキンシップ過剰な二人なので長年付き合ってるカップルがいたす前みたいな雰囲気まで醸し出してしまうという、何とも言えない絶妙な距離感。そうかこれが「いい塩梅」ってやつか(違う
しっかし、あっちでもこっちでもベタベタと。佐藤爆発しろ!(これが本音w
317頁の著莪幼女ver.は必見。



11章 白梅梅
内容:白梅様の心情
やっぱりガチな人でしたか。
しかし小学生にしてこの行動力。白梅様は生まれながらにして白梅様だったということか、恐ろしや。
白粉とはお互いに相手を大事に思っているのに、それぞれの秘密を相手に拒絶されるのが怖くて言い出せない。そのすれ違いがちょっと切ないが、この二人なら相手の秘密も許容して仲良くやっていけそうな安心感もある。
で、実際のところ百合な方と腐ってる方の親和性ってどうなんだろう?