やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (7) (ガガガ文庫)
京都への修学旅行を前に、どこか浮き足立つクラスの雰囲気。文化祭以来、教室内でさらに微妙な立ち位置になった八幡だったが、最初から地位なんてないようなもんだしな、と我関せず。ところが、奉仕部に持ちかけられた意外な人物からの「恋の相談」。そこにはまた別の人物の思惑も重なって……。旅行は一気に波乱の予感。複雑な気持ちが渦巻き、答えを出せないまま八幡たちは京都へ。まちがっている青春模様は、まちがっているラブコメ＝恋愛模様を生み出すのか。TVアニメ化を直前にさらに盛り上がりを見せるシリーズ第7弾。
文化祭の次は修学旅行。しかもお約束の告白イベント付き。
前回に続き学園ラブコメの定番中の定番のイベントだが、そこはこの作品。ストレートに旅行を楽しむはずもなく、
「仲良しメンバー内の告白したい軽薄男と今の状態を壊したくない数人の思惑が錯綜する、大変面倒くさい事案に巻き込まれる」という二周半くらい捻りを加えたラブコメに。相変わらずの自虐とネタと自虐の地の文といい、盛大に間違っているね。素晴らしいね。
さて、今回の八幡先生は、、、あれ？ 興味の矛先が戸塚の次が葉山になってね？ 葉山観察でももう右に出るものがいないんじゃないかと言うくらい葉山を見てる。これは海老名オーラの賜物か？ その興味をもっと傍にいる二人に向け……ないのが八幡の八幡たる所以か。
女性陣で目立ったのは由比ヶ浜。てか、ゆいゆいどうした？ やけに積極的じゃん。彼女のナチュラルな距離の近さと勇気だして近づいたのと両方あって良かった。八幡を素で照れさせるとはなかなかやりおる。
ちなみに雪乃さんは別クラスの為、絡み少なめ。無念。
さてさて、注目の解決方法は、
流石に今回は前振りで分かった。常に最も悪手を選んでいく男だねえ。自傷もダメだけど近くの二人を巻き込む自傷はもっとダメだろ、八幡。その後の雪乃と由比ヶ浜の反応が重い重い。この重さ、読み手としては嬉しい重さでもあるのだが、人の機微に敏感なのに自分に向けられる好意だけは鈍い、というか信用してない八幡相手には通じてないだろうなあ。
重苦しい空気のまま終わってしまって読後感がほろ苦い。
次は作中の時期的にクリスマス？
