いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「はたらく魔王さま!8」和ヶ原聡司(電撃文庫)

はたらく魔王さま! (8) (電撃文庫)
はたらく魔王さま! (8) (電撃文庫)

恵美が異世界エンテ・イスラの実家へ帰省すると言い出した。心配する千穂、羽を伸ばす芦屋。一方魔王は、マグロナルドの新業態のため、免許取得を目指していた。
しかし、帰ってくるはずの予定日を過ぎても、恵美は東京に帰ってこなかった。動揺しつつも平常心を保とうとする魔王は、連絡を取る方法を探す鈴乃を後目に、免許試験を受けるため東京・府中の運転免許試験場へと向かう。道中、魔王はバスで謎の二人組と出会い……?
その頃、千穂の通う高校でもある問題が勃発していた。勇者不在の中、果たして笹塚の平和は守られるのか!? 緊迫のシリーズ第8弾!


なんだなんだ。まるでファンタジーみたいじゃないか! いや元々ファンタジーなんだけどね。
勇者不在、エンテ・イスラからの本格的襲撃でシリアス&バトル回。
という事実より、魔王がマグロナルドで働いているシーンが一度もないことの方が異常事態に思えてしまうのが、このシリーズならではの味。
その庶民的で世知辛いという味が薄れてしまうのは残念だけど、真っ先に行動を起こした恵美を筆頭に「いつまでも停滞してはいられない」という心意気が感じられる。
それに、表面的な言動は違えど、元々は敵もしくは無関係だった人達で出来たこの輪を守りたいと、心の奥底ではみんな思っている。そんな行動が全員から出てくるので胸が熱くなる。
いつもとは全然違う雰囲気だったが、これはこれで面白かった。
次はついにエンテ・イスラへ? 今度は本格的にタイトル詐欺になりそうw でも、それより果たしてちーちゃんに出番があるのか。それが一番心配だ。