いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ベン・トー10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円」アサウラ(スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円 (スーパーダッシュ文庫)
ベン・トー 10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円 (ベン・トーシリーズ)

半額弁当バトルに青春を賭ける佐藤洋は、節分の日限定の特別な弁当『鬼斬り弁当』に狙いを定めるが、そこへ新たな狼が現れる。「退魔師」という二つ名を有するその狼は弁当だけではなく、なんと白粉を標的として現れたのだった。さらに白粉につきまとう悪しき虫がついたと認識した白梅が介入し、状況はより混乱する一方に。そんな中、間近に迫ったバレンタインデーを前にそわそわする佐藤に、槍水は予定を空けておくように言うのだが…!? 庶民派シリアスギャグアクション、狼たちの想いが交錯する第10巻!!


祝!二桁な今回は節分とバレンタインデーの二本立て。“燃え”のハイライトが前半にある一風変わった仕様。
その前半、節分からバレンタインデー前までは白粉先生の独壇場という地獄絵図だった。
半額弁当争奪バトルだろうが生保問題であろうが起こる出来事が全て先生の脅威の妄想力でネタに変換されていく。全ては白粉先生の掌の上で踊らされているような感覚に戦慄せざるを得ない。なかなかの強敵だった狼《退魔師》も白梅様気絶という事実だけで20頁も費やす暴挙に出た佐藤の妄想も「あ、そんなこともあったね」になってしまう脅威のインパクト。
というかこれ、絶対筋肉刑事ネタありきで作っただろ! 生保アニキってなんだよ、くっそ笑ったわ。
一転、後半は佐藤のボーナスステージ。……よし爆発しよう。
しかも、一番スキンシップがあるのが茉莉花(小学生)という流石の佐藤クオリティ。……よし通報しよう。
こちらの見所は、白梅様のチョコや先輩にあーん等羨まけしからんシーンが数あるが、一押しは今回表紙のウルフヘア。
素直ないい子で清潔感が合って性格は快活。出てくるシリーズ間違ってませんか?と思うくらい爽やかに可愛い。妙に佐藤に懐いてるのがまた良い。……やはり佐藤は爆破だな。
ところでこの作品に全く相応しくない爽やかカップルが生まれそうなんですが、爆破ですか? でもこの二人が欠けるとツッコめる常識人が誰も居なくなってしまうというシリーズ存続の危機に瀕するから生温かく見守るしかないのか、クッ!!
しかし、この硬派な『ベン・トー』であってもラブコメテイストにしてしまうバレンタインデーって怖いわー。
そんな感じで今回は穏やかに終了。かと思いきやこのシリーズでは衝撃のラスト到来。クライマックス近し!?



今回の個人的No.1弁当は『生姜焼き風豚バラカツ弁当』。物を想像した時に断トツで旨そうだったのがこれ。手間はかかるが再現してみたい。著莪が食べてたからしょうがないけど、折角だから他の具材の情報も欲しかったなあ。