いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「不完全神性機関イリス4 勝率0.08パーセントの戦女神」細音啓(富士見ファンタジア文庫)

不完全神性機関イリス4 勝率0.08パーセントの戦女神 (富士見ファンタジア文庫)
不完全神性機関イリス4    勝率0.08パーセントの戦女神 (富士見ファンタジア文庫)

自らの意志で人類を裏切り、幽玄種を率いる人型機械体・剣帝ヘケト。奴との戦いで俺・凪は、いま……入院していた。ダ家政婦・イリスの献身的な看護(本人曰く「完全看護士機関イリスです!」)の甲斐もあって右腕の治りは順調だが、剣帝の襲撃で紗砂とヨミ先輩は深手を負い入院。俺たちの計画“プロジェクト・エデン”は遅れることになってしまった。すぐにでも退院して剣帝と再戦、といきたいところなのだが――。
「あなたのデータ採取を剣帝から依頼されました」
お前、剣帝側についていたのかよ!? 意外な人物から語られるヘケトの計画とは!? 楽園へと続く最終局面、いま始まる!


3巻がツァリやイリスの「エデン組」の活躍回なら、今回は「イリス」の主役・凪の番。
前の戦いで全く歯が立たなかった剣帝とのリベンジマッチが熱い。
二重三重に張り巡らせた対抗策で相手を絡め取る、弱者が強者に奇策で対抗する展開はスポ根に通じるものがあって盛り上がる。おまけにその余波でミカエルも救っちゃうし。
ミカエルといえはその出生と予想以上のハイスペックに驚き。機神・紫苑との関係も。
紫苑紫苑、、、エデンで聞いた名だと思って記憶を巡らせたら……ああ、あのガイドさんか!(←何か間違ってる)格好はもちろん性格もちょっと違ってて気付かなかった。この後どういう経緯でエデンの立ち位置まで行くんだろう。気になる。
と、この巻単体だと読みどころが多くて面白かったのだけど、前回の最後と今回の初めが自分の頭の中でどうしても繋がらない。
あんなにボロボロにされて終わったのに、なんで普通に楽しく入院生活してるんだろう。危機感や悲壮感はどこいった? 計画見直しの作戦会議とかしなくていいの? う〜ん、わからん。
次が最終巻。次こそ初めからシリアスですよね?