超自然現象研究会が配布した〈エリア51〉の「市立七不思議」特集が影響を与えたのだろうか？ 突如休み時間に流れた、七不思議のひとつ「カシマレイコ」を呼び出す放送。そんな生徒はもちろん存在しない。さらに「口裂け女」「一階トイレの花子さん」の悪戯まで見つかった。なぜこの三つなのだろう……。調査を進めた葉山君は、ある真実に気づく。ますます快調な、シリーズ第五弾。
シリーズ第５弾は学校の怪談をミステリ風に……と思ったら、あら？ 予想外に怖い系？
学校の不気味さを強調したり血のりの演出が多かったりで、日常ミステリというよりサスペンスホラー近い雰囲気があった。
そんな中でもブレないのが柳瀬さんの可愛さ。流石です。葉山がいい反応した時の満面の笑みは文章だけなのに、容易に絵が想像出来て、そこだけ雰囲気が一変する。後半の葉山のあの台詞を聞かせてみたいねえ。
肝心の事件の方は、
七不思議を追っている時は同じようなことの繰り返しで少々退屈なのだが、後半で一気に加速。面白くなる。
それぞれに目的はあっても生徒のイタズラの域を出なかった三つの事件が予想外の方向で絡み合い、シリーズの根源と言っていいある一つの結論にまで行く過程に引き込まれる。これは見事にやられた。
しかし、こんなに綺麗に片が付いてしまってシリーズ終了か？と不安になったが、あとがきに続くことが明言されていてひと安心。葉山くんと柳瀬さんに進展の無いまま終わられたら困ります。
