いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ドレスの武器商人と戦華の国」和智正喜 (富士見ファンタジア文庫)

ドレスの武器商人と戦華の国 (富士見ファンタジア文庫)
ドレスの武器商人と戦華の国 (富士見ファンタジア文庫)

エイジャ王家直轄地のひとつアンザで発見された鉱脈の利権をめぐり争う二つの国、キルガとリクレア。怒号とも悲鳴ともつかない絶叫が響き渡り、無数の血が流れる戦場に、突如その少女は舞い降りた。禁忌の白いドレスを身にまとい、セイジアと名乗った少女は両軍の兵士を前に高らかに宣言した。「私は武器商人。殺戮と破壊――そのための武器をお持ちしました」
争いの火種を燃え上がらせるかのように両国へ武器を売りつける武器商人セイジア。彼女を護衛することになった剣士のトーマは戸惑いながらも人の業、戦争の本質を知ることに――。
武器商人の少女と武器を憎む少年のエポックファンタジー

武器商人の少女・セイジアとその護衛の少年・トーマの物語。正統派ファンタジー



はっきり言う。面白くない。



ストーリー、全体の流れは悪くないものだったのに、これが全くと言っていいほど盛り上がらない。
話が淡々と進んでいく。なんて可愛いものではなく、読者の眼であるトーマが最初からラスト直前までずーっと置いてけぼりの状態なので、ただ事後の事実を並べられているだけように感じる。人や武器の登場も唐突なものが多く、まるでスライドショーでも見ている気分だった。
また、トーマのすぐキレる性格にも問題が。
セイジアのやろうとしていることは分かりやすいのに、一切察しようとしないで怒ってばかりいるので段々嫌気が差してくる。頼むから怒る前に少しは頭を使ってくれと何度思ったことか。
あと、セイジアに二重人格という設定があるのだが、入れ替わりが唐突でただの情緒不安定な人なってたりするのは、、、トーマに難に比べれば些細な問題か。
もう少し周りを見渡せる人物を主人公に据えていれば、セイジアの策も黒幕の思惑も生きて読み応えのある物語になっただろうに。その前にとりあえず、考えるより前に手が出るタイプの主人公は性格が明るくないと読んでてきつい。