いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「神さまのいない日曜日 VIII」入江君人(富士見ファンタジア文庫)

神さまのいない日曜日VIII (富士見ファンタジア文庫)
神さまのいない日曜日VIII (富士見ファンタジア文庫)

黒面の向こう側に現れた新世界。世界は救われ、封印都市は新たな街に生まれ変わろうとしていた。そしてアイも、新たな自分を見つけ始める。
「アイ・アスティンは、始まりを見守るものでありたい……それがきっと『私』なんです」
夢が果ててもなお、たくましく変わりゆくアイ。そんなアイを目の当たりにしたアリスは――。
そんなとき、黒面からもう一人の少女が降り立つ、
「私は世界を救うのよ」
夢に生きる少年と、少女の物語は、再び交わるのか――?


東京なんてなかった。ま、そりゃそうだw
封印都市編その後みたいな。まあ、このシリーズにそういう名前付けは無意味か。
そんなことより新婚さん風な二人が本当に新婚さんになってしまったんですか!
ヘタレ新郎はともかく新婦が可愛いのなんのって。悩むポイントや反応が普通と違うのに、幸せいっぱいなのは十二分に伝わってくる。アイが無邪気なだけではいられなくなってから、すっかりこの二人が癒しキャラの座に定着したねえ。
さて、今回のメインテーマは昔のアイと同じ「世界を救う」という夢を持った少女の登場。
夢破れたアイがこの子の行いを通じて過去の自分を見直す、アイの成長を感じたり抜けすぎてしまった肩の力を入れ直す話だっただけど、、、
アイでもこんな居たたまれない気分になったりするんだね。そう自分の黒歴史を見てしまったような。その反応が軽くショック。これは成長した証なんだろうけど、無邪気なアイちゃんを愛でたい身としては、こういうタイプの成長は頼もしい反面淋しい気分にもなる。
後半はアリスがかき回してよく分からない展開になってしまったが、起こった結果が大変なことだけは分かった。
次回、最終巻。この続きをどうやって始めるのか、そしてそうやって締めくくるのか。全く予想がつかない。