いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「覇剣の皇姫アルティーナ IV」むらさきゆきや(ファミ通文庫)

覇剣の皇姫アルティーナIV (ファミ通文庫)
覇剣の皇姫アルティーナIV (ファミ通文庫)

帝都での戦いはレジスの策によってアルティーナ陣営に軍配が上がった。無事に帰還し、一息ついたアルティーナ達だったが、その時ベルガリア帝国は他国の侵略を受けんとしていた。後にレジスの宿敵となる軍師オズワルド率いる女王の国ハイブリタニアの蒸気船団、そしてヴァーデン大公国の軍勢が奇襲を仕掛けてきたのだ。この開戦には留学中のベルガリア第三皇子バスティアンが関わっており――。覇剣の皇姫と、読書狂の青年が織り成す覇道戦記ファンタジー第4弾!


黒船来航でどうするレジス!?が主題かと思ったら、今回はその敵国・ハイブリタニアが攻めてくるまでの経緯を辿る前日譚。主役はアルティーナのすぐ上の兄・バスティアン。レジスやアルティーナは出番なしの事実上の番外編。


率直な感想を一言でいうと「ベタだな!」になる。
なにせ狙われたお姫様の手を取っての逃避行でから。
しかも、お姫様のピンチに颯爽と登場するヒーロー(軽度の中二病)に川へダイブ、芽生える恋心と、ベタすぎてもう誰も使わないから逆に新鮮な気がしてくる。この巻のヒロイン・エリーゼがこのシリーズ初の正統派ヒロインなのも手伝って、その王道展開がよく栄える。
その中で目を引くのがバスティアンの身体能力の高さ。アルティーナも年齢性別を考えると破格の強さだが、バスティアンは完全に別格で俺TUEEE主人公レベル。皇家の人間はみんなこうなのか? そうすると打倒ラトレイユがさらに困難に……まあ、主人公がレジスの物語で一対一の男の勝負なんてものはありえないから、あまり関係ないか。
後は、すでにあらすじでレジスのライバルになることが確定しているオズワルド。爽やかそうなキャラデザに似合わず陰湿な野心家で今後の対決が楽しみ。
そのオズワルドが忠誠を誓うイカれた姫さまもインパクトはあったけど、こちらはそのうちオズワルドに退場させられそう。
次は今度こそ敵国との戦争でレジスの活躍が読めるはず。バスティアンとエリーゼの合流はいつかな? レジスとバスティアンの邂逅が楽しみ。