いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ストライプ・ザ・パンツァー」為三(MF文庫J)

ストライプ・ザ・パンツァー (MF文庫J)
ストライプ・ザ・パンツァー (MF文庫J)

姫川響子は交通事故で瀕死の状態になったところを、心優しい宇宙生命体のストライプに寄生されることで助けられる。心に直接話しかけてくるストライプに、響子は二週間前に家出した兄の礼二を探していたことを明かす。実は記憶喪失だというストライプと共に、響子は二人で互いの“探しもの”を見つけることを約束するのだった。そんなとき、響子の学校で大量のパンツ消失事件が起こった! 響子はストライプと協力し、パンツ泥棒の宇宙人を追うことになるのだが――!?
審査会騒然のハートフル・ピュアコメディ、堂々優秀賞を受賞して登場!


この作品最大の特長は主人公がパンツ。(正確にはパンツ型宇宙人)
この時点ぶっ飛んでいるが、それ以外も色々とおかしい。そいつが空を飛んだり、穿いてゴムを引っ張っただけでパワーアップしたり、ブラジャー、触手……間違いない、この作者頭おかしいわ(誉め言葉)
その逐一変態チックな設定を宇宙というフィルターにかけて強引に辻褄を合わせ、それをくっそ真面目な口調で朗々と説明する様が面白い。
が、それで笑えるのは状況がゆるい序盤だけ。
他の宇宙人が出始め兄失踪の真相が明らかになりだして、物語がシリアスに傾きだすと笑い要素が一転して邪魔に。
真面目な説明とシリアスな状況の中で放たれるパンツネタ(またはその他下ネタ)のギャップで笑わせようとしてるんだろうけど、状況が差し迫るほど出てくるのは笑いじゃなくて白け。正直「空気読めよ」としか思わない。
度々言っている持論だが、シリアスはシリアス、笑いどころは笑いどころでメリハリがついていない作品はダメ。気持ちの持っていき方が分からなくて、読んでいても何の感動もない。
序盤は面白かったが、そのまま状況お構いなしに一本調子で最後まで行ってしまったので、性に合わない作品になった。