いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ブルークロニクル」白星敦士(富士見ファンタジア文庫)

ブルークロニクル (富士見ファンタジア文庫)
ブルークロニクル (富士見ファンタジア文庫)

文明が一度滅びた世界の物語――。人々は隕石の脅威から逃れるため、バベルと呼ばれる巨大な都市に暮らしていた。
運び屋で生計を立てる貧困層の少年・リカルは、操縦できる巨人『ステアクラフト』を報酬に、謎のコンテナの運搬を依頼される。二つ返事で引き受けたリカルだったが、高スペックのステアクラフトによる襲撃を受け、逃亡するハメに。そんな中、開けてしまったコンテナの中には一人の少女が眠っていた!
その少女は記憶喪失で、「家族の元に連れて行ってほしい」とリカルに依頼するのだが――。
何よりも高みを目指す、冒険SFメカファンタジー開幕!!


ボーイミーツガール+運び屋。好きな要素が二つ揃っていたので買ってみたが……うん、これはないな。



以下酷評


話が本当に導入部のみ。280ページもあるのにアニメで言うと1話分(24分)しか進んでいないような内容の薄さで、一切盛り上がりがない。
半分くらいはやたらと自問自答や葛藤が多い主人公のせいかな。
一人の時にそうなるのは結構なのだが、価値観が違うヒロインと衝突しても会話よりも自問自答を優先してヒロインは蚊帳の外になり、ピンチの時も急に自分の世界に入り込んで一人で悶々とし始める。しかも悩む内容が良く分からなくて全く共感できない。つまりつまらない。
もう半分はキャラクター作り、もしくは見せ方の下手さ。
主人公はこんなんで、ヒロインは影が薄い、敵はとんでもなく小物で勝手に自滅していく。あえて挙げるなら謎の組織のおっさん・ジョンだが……
この際だからさらに言ってしまうとイラストレーターも微妙だ。折角おっさんキャラがいるのに、若い子とおじさんを描き分けられない人を使わないでほしい。ジョンは台詞が時々格好いいのに見た目で台無し、敵の市長は小物臭をさらに増長と良いとこなし。
ファンタジア大賞は最近イマイチだが、その中でも読者賞は地雷原のような気がちょっとしている。