いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「甘城ブリリアントパーク3」賀東招二(富士見ファンタジア文庫)

甘城ブリリアントパーク3 (富士見ファンタジア文庫)
甘城ブリリアントパーク3 (富士見ファンタジア文庫)

高校生なのに遊園地の支配人代行・可児江西也は悩んでいた。当面の資金難からは脱したものの、集客を伸ばさなければ待っているのはゆるやかな廃園だけ。しょぼいと評判のパークを立て直すにはゲストが夢中になる新要素が必要だ!! そう夢と音楽が詰まったド派手でブリリアントなミュージカルショーが!!
「消火班! 消火班! どこ行ってるぴー!? 消火班――!」
……リハーサルをすればボヤ騒ぎ、新入りキャストへの執拗な可愛がりによる人材不足、さらには出席日数不足に伴う支配人代行留年危機問題など、トラブルが次から次へと頻発! やっぱりダメダメな「甘ブリ」を西也は三度救うことができるのか!?

遊園地再建の話からは一旦離れて、バイト三人娘の一人にスポットを当てたり、久しぶりに学園の話があったりする短編集。長めの話2編、ショート2編の構成。



中城椎菜は逃げ出したい。
内容:2巻で登場したバイト三人娘の一人・中城椎菜視点のバイト話。
あ、あの子たち出てきた意味あったのねw しかし三人の中で一番目立たなかった子を選ぶとは。
ロリ体型であがり症で引っ込み思案の椎菜の、苦労と成長が描かれるいい話。
辞めたい辞めたいと泣き言ばかり言う割には、ことある毎に「屈辱です」と思える反骨心のある子だったから、辞めいだろうという安心感と、応援したくなる気分にさせてくれる魅力があった。歯に衣着せぬ物言いでさらっと酷いことを言う彼女視点の地の文も面白かった。




魔法のアプリ
内容:動物の写真を撮ると人間の姿に写る不思議なアプリ。
ないわー。あのおっさんたちが渋くてカッコいいとかないわーw
まあ、モッフルだけは辛うじて許せるが。
いすずの普通の女の子みたいな反応が微妙に違和感。




出席日数が足りない!
内容:外見は本人そのものになりきれる魔法の肉襦袢を使い交代で西也に化けて学園へ。
こういうの苦手。
おっさんたちがクズなの百も承知だし、そのネタこそがこの作品の面白さなんだけど、これはちょっと笑えない。
本人が知らないところで理不尽な形で被害を被るのはあまり読んでいて気持ちが良くない。
しかも色々起こった問題を最後は西也がスマートに解決してしまって、おっさんたちにお灸が据えられないのも面白くない。
いすずが微妙にラブコメっているところくらいしか楽しめなかった。




魔法の国へ行ってみよう!
内容:西也がいすずやモッフルの故郷へ?
まさかの横浜駅。新宿や上野の方が一本二本謎の路線があってもおかしくないような。まあいいけど。
一つ前の話のモッフルの怒りの理由がわかって少しスッキリ。
それにしてもこの巻の西也はまったりだったね。