いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (9)」渡航(ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (9) (ガガガ文庫)
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9 (ガガガ文庫)

もうすぐクリスマス。小さい頃はプレゼントがもらえる日だったが、今はもう違う。何より、願うことも、欲しいものもなくなってしまった――。生徒会長選挙の日以来、何かが決定的に終わってしまった関係を引きずりながら、逃げ出さないため、ただそれだけのために部室に集まる八幡たち。そんな折、新たな依頼を持ち込んだのは、先の選挙で生徒会長となった一色いろは。他校との合同クリスマスイベントを手伝って欲しいという依頼に対し、一人で行動しようとする八幡だが、一筋縄ではいかない依頼に事態は次第に悪化していく……。


はー、よかった。
あの瞬間はまさにほっと胸を撫で下ろす瞬間だった。
オープニングから8巻の空気を引きずっている上に、八幡がまた一人で行動し始めてモヤモヤ。手伝うことになるクリスマス合同イベントでは、議長の相手校の会長が典型的な決断力のない無能で、進まない会議と議長の頭の悪い台詞でイライラ。途中で天使・戸塚の癒しシーンが挟まっていなかったら、ストレスで禿るわ、こんなんw
でも、その後に待ちに待ったその時が。
八幡がデレたー!!
あの空気を打ち破った八幡の一言にただただ感動。人間不信の八幡から出た言葉だからこその重みがある。それを引き出した平塚先生の言葉も良かった。ちょっと格好つけすぎだったけど。きっと、男の前だとこれと正反対のベクトルで自分を作って引かれちゃってるんだろうなーw
八幡が思いっきり青春してくれたので、お前の青春ラブコメは間違っていないってじゃないか!と声高々に叫ぼうかと思ったら……その後の一人悶絶で盛大に笑った。いや気持ちは分かるけど。まあ、この雰囲気ブレイクが八幡らしさか。
その後、平塚先生の粋な計らいをニマニマしながら読んでいたら、
今度は雪乃もデレたー!!
この一言が終盤への布石になるんですね、わかります。八幡の依頼は本人の知らないところで継続中だたりするし、これは妄想が捗なますな!
その後もイベントの会議では夫婦爆弾を披露してくれるし(ここでは結衣の交渉力の高さの方が意外だったけど)、
前以上に温かい奉仕部の空気で締めてくれたしで、8巻とは真逆の読後感。いやほんと、よかった。
この後は雪ノ下家関係でもう一山ってとこ? でも雪乃の一言で少し安心して読めそうだ。