いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ノーゲーム・ノーライフ6 ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです」榎宮祐(MF文庫J)

ノーゲーム・ノーライフ6 ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです (MF文庫J)
ノーゲーム・ノーライフ6 ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです (MF文庫J)

ゲームで全てが決まる世界【ディスボード】――を創った唯一神テトは、エルキアの路地裏で、ひっそりと……空腹で行き倒れていた。いづなの施しで生き存えたテトが語るは、「六千年以上前の物語」――天を割り地を裂いた『大戦』を“ゲーム”と断じ、世界に挑んだ男とその傍らに寄り添った少女。「――なぁ、またゲームしようぜ……今度こそ、勝ってみせるから、さ……」記憶にも記録にも遺らない、それでも“僕”だけは忘れない物語――“最も新しき神話”へと至る“最初の神話”――大人気異世界ファンタジー、第6弾!!


唐突に過去編。
最弱の人類がゲームではなく本物の弱肉強食の世界を生き抜き、世界を変えるために奔走した物語。
メインの二人、人類のリーダー・リクとはぐれエクスマキナのシルヴィのやり取りが面白い。
前半は弱者と強者の関係があべこべな会話がヘンテコで笑える。後半はこっぱずかしい青春をこれでもかと見せつけてくれるのでニヤニヤ出来る。それに、空白はこの二人の生まれ変わり?なんて妄想が膨らむ程よく似ているので、シロに似たシルヴィが幸せそうな様子にニヤケ度が増す。まあ、テトの着色か多分に含まれているんだろうけど。
一方、『大戦』に目をむけると、
「『大戦』を“ゲーム”と断じ」と言いながら、ルールも勝利条件も後出しなので傍観者にしかなれないと、話が壮大すぎて逆に普段のゲームより緊張感が感じられないので、ほとんど盛り上がれなかった。
如何にして与えられたルールを拡大解釈するかが、頭の使いどころであり面白いところでもあるシリーズなので、ちゃんと“ゲーム”してくれないとあまり面白くない。
次は空白が活躍してくれるだろうから、二人の“ゲーム”に期待したい。